2002 Fiscal Year Annual Research Report
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13771496
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
吉田 みつ子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (80308288)
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Keywords | 緩和ケア / 看護 / セデーション / 倫理的課題 |
Research Abstract |
本研究は緩和ケアにおいて看護師が直面する倫理的問題および解決過程について明らかにした。 緩和ケアで頻発する5事例(予後告知、宗教上の信念によるモルヒネ拒否、セデーション、終末期の輸血、死期を早める可能性の高い鎮痛薬の投与)を作成し、論理的判断、感情的な関与、解決方法、類似経験の有無、個人属性について調査した。調査対象はホスピス・緩和ケア病棟96施設中の、53施設159名の看護師に配布し110名から回答を得た(回収率69.2%)。対象者は女性109名(99.1%)、平均34.5歳(23〜58歳)、臨床経験年数平均11.7年、緩和ケア経験平均2.6年、勤務地は関東24.5%、中四国16.4%、九州14.5%、設置主体は民間51.8%、国公立33.6%であった。 5事例中類似の経験頻度が高かったのは、予後告知87.3%、セデーション79.1%、死期を早める可能性の高い鎮痛薬の投与76.4%であった。対象者は、宗教上の信念によるモルヒネ使用拒否の事例に対して、困惑、苦しい、無力感が強く、終末期の輸血の事例では小さかった(p<.001)。宗教上の信念によるモルヒネ拒否の事例では「宗教上の信念を曲げる苦痛は身体的苦痛よりも強い」という意見が多く、宗教上の信念の尊重と身体的苦痛の緩和の間で葛藤があった。この事例の解決方法として頻度が高かったのは、「カンファレンスで相談する97.3%」「患者や家族と話し合う81.8%」「医師に判断を預ける47.3%」であった。反対に、困惑や無力感が小さかったのは、終末期の輸血の事例であり、「輸血が患者のQOLの向上の目的ならば意味がある」「患者の意思を尊重し、輸血を継続する」という意見が多く、「輸血が引き起こす身体的損害」「効果のない輸血は無益である」という意見は少なかった。 緩和ケアにおける看護師の葛藤は、患者の身体的な症状の緩和と患者の自律性(autonomy)の尊重の間で生じていることを示していた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.YOSHIDA, Y.FURUKAWA, J.KAWAKAMI: "Ethical Issues Nurses Face in Providing Palliative Care"5^<th> Asia Pacific Hospice Conference "Evolution and Integration of Hospice Palliative Care" Program & Abstracts. March. 204 (2003)