2001 Fiscal Year Annual Research Report
Dewey教育理論に依拠した看護学実習「評価」試論の実証的研究
Project/Area Number |
13771497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
佐々木 幾美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (90257270)
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Keywords | 看護学実習評価 / Dewey教育理論 / 学習過程 / 指導過程 / 実証的研究 |
Research Abstract |
「評価」とは単なる指導の結果をみて成績をつけるものではなく、学生の学習状況からその指導の方向性を考えるものであり、それが果たす役割は大きいと考える。現在の看護学実習評価は、Bloom評価論を理論的基盤として活用し、実習評価表の中で行動目標の達成度から判断していく方法か広く普及している。しかし、すでに教育学の中でもBloomの提唱した方法については種々の問題が提起されていて、看護学実習のように対象者にかかわり実際に看護を提供する中で展開される学習での「評価」に適しているのか疑問である。基礎看護学実習において看護教員が学生の実習状況をどのように捉えているのかについて調査した結果では、看護教員は行動目標に対して「できた」「できない」と判断しているのではなく、時系列的な過程をもった学生の変化として動的に学生の成長を判断していることが明らかになった。この結果から、学生の成長過程を動的に捉えられるような実習「評価」の理論的基盤の開発が急務であると考え、研究者はDewey教育理論に依拠した「評価」試論を開発した。この「評価」試論を洗練した理論とし、さらに理論の有用性を導くためには、実際の看護学実習場面における学習過程及び指導過程の丁寧な記述を積み重ね、実証していく必要がある。そこで本研究では、Dewey教育理論に依拠した「評価」試論を実際の看護学実習評価に適用し、その有用性を実証することを目的とした。今年度は、看護学実習指導及び評価に関する国内外の資料・文献を収集し、それらを基礎として、Dewey教育理論に依拠した評価試論の分析枠組み、活用方法及びデータ収集方法について再検討を行った。次に、研究者自身の実習指導場面(成人看護学実習、看護学総合実習)をテープ録音し、逐語に起こした。現在、複数の教育学者、看護教育学の専門家によるスーパービジョンを受けながら、分析枠組みを用いて分析し事例化している。
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