2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 光令 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90301142)
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Keywords | 緩和ケア / 看護 |
Research Abstract |
緩和ケアにおける看護ケアの医療経済的側面について、文献的検討とインタビュー調査による検討を行った。緩和ケアに関して看護ケアを医療経済的に検討した文献は少なく、文献的検討の対象は終末期医療全般に及んだ。文献および資料からの検討からは現状の緩和ケア病棟における特定入院料である緩和ケア病棟入院料の問題点、外来看護における看護としての看護ケアに対する診療報酬上の不十分さ、在宅療養領域において、とくに在宅ターミナルを考えた場合、制度的な不十分さがあることなど、いくつかの問題点を抽出した。緩和ケア病棟の管理者や病院看護部全体の管理者に対して行ったインタビュー調査においても、病院管理上の問題(たとえば満床率と看護上の負担のバランス)、包括的な入院料である緩和ケア病棟入院料の問題点、労務時間と労働内容に関する問題点などいくつかの課題が抽出された。労働時間と労働内容については、現状で緩和ケア病棟において求められる看護の基準が曖昧であることなどが問題であり、看護職の離職などにも関連する。平成14年度の診療報酬改訂で、新たに一般病棟においても緩和ケア診療加算の追加が検討されており、調査の対象を緩和ケア病棟に限らず、一般病棟、在宅領域に広げる必要がある。さらに、今後の課題として、制度的な動向を視野に入れつつ、緩和ケア病棟、一般病棟、在宅領域における緩和ケアの業務分析や、労働内容の基準化、簡略化などを考える必要がある。
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