2001 Fiscal Year Annual Research Report
低出生体重児を出産した女性の事例的調査からみた社会経済環境要因との関連
Project/Area Number |
13771510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
平井 栄利子 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (40324355)
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Keywords | 低出生体重時 / 女性の職業 / 社会経済的要因 / 事例調査 / 家庭訪問 |
Research Abstract |
本研究は、低出生体重児を出産した母体の妊娠前から出産後までの生活環境を中心とした事例調査を行い、社会経済的要因と妊娠出産に関わる問題を明確に捉えようと試みるものである。 2001年8月-2001年12月に浜松市内の病院(2ヶ所)で2500g未満の児を出産し、了解の得られた母親16名と児20名(うち双胎4組中2500g以上1名を含む)を対象とした。氏名、年齢、住所などの属性および妊娠分娩経過などの産科的情報は、カルテ記録から情報を得た。生活歴、妊娠中の生活状況、家族関係、社会性に関連する内容と、出産後の生活状況、子供の行動発達は、継続的な家庭訪問による面接調査を行った。 対象の母親は初産婦8名、経産婦8名で、年齢階級は20-24歳1名、25-29歳9名、30歳以上6名、平均年齢(±標準偏差)は29.7±4.1歳であった。対象児の出生体重は、1500-2000g未満5名、2000-2500g未満14名、2500g以上1名、平均体重(±標準偏差)は2201.4±232.5gであった。在胎週数36週未満の児は20名中5名、子宮内発育遅延(IUGR)は20名中9名にみとめられた。母親の妊娠中の経過は、とくに異常のなかったもの1名、妊娠中毒症軽度7名、切迫早産14名であった。妊娠中仕事を継続していたものは6名、産休または育児休暇後の復職予定者は2名であった。 妊娠出産異常は職業間で格差があることは、先行研究から課題の一つとしてあがったが、この格差は教育、所得、生活環境などの社会経済的要因とも関連するものと予測される。出産以前から育児期にかけての生活状況には一連の関連性があり、こどもへの母親の関わり方に影響を及ぼしているのではないかと示唆された。さらに今回の事例調査をもとに調査票を作成し、各要因間の関連性を検証するために多数事例への調査を継続していく予定である。
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