2001 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスク児の母親が経験する退院後の不安に関する研究
Project/Area Number |
13771511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
堀 妙子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (40303557)
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Keywords | 低出生体重児 / 母親 / フォローアップ / 不安 / 社会適応 / 発育発達 |
Research Abstract |
ハイリスク児の母親が経験する退院後の不安を明らかにするため、神奈川県内の小児科クリニックに通院中の低出生体重児の母親22名に面接調査を行った。対象となった低出生体重児の出生体重は490g〜1466g、在胎週数は24週2日〜32週6日、調査時の年齢は生後4ヶ月〜7歳であった。母親へは妊娠分娩経過、NICU入院中の経過、退院後の経過の中で経験した不安について尋ねた。 突然の出産となってしまった母親で、子どもが順調に成長発達しているにも関わらず、自責の気持ちを訴えたり、医療施設に対する不満・不信感を訴えたりする母親が認められた。また低出生体重児にきょうだいがいる母親は、そのきょうだいの精神状態に関する不安を経験していた。 乳児期の母親は、子どもの健康状態や育児に関する不安を訴えることが多かった。そして、母親は父親から様々な支援を受けているにも関わらず、支援を受けていないと感じていた。また幼児期の母親は、子どもの体力が少ないこと、発達の遅れに関する不安を訴えており、さらに保育園や幼稚園への就園にあたり不安を訴える母親が認められた。すでに保育園・幼稚園へ子どもが通園している母親は、自ら情報収集を行い通園する施設を決定しており、行政の対応はその地域により異なっていたことを経験していた。また幼児期後半の子どもの中には、落ち着きのない多動と思われる子どもも認められるようになり、さらに情報も乏しいため就学に関する不安を訴える母親が多かった。 低出生体重児の母親が退院後に経験する不安は、子どもの発達段階により異なっており、幼児期は特に社会適応に関する不安が強い傾向が認められており、低出生体重児のフォローアップをしていく中で、社会的適応に関する看護支援を行う必要性が明らかになった。
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