2001 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者への継続的ケアの実践に向けた包括的ニーズアセスメントツールの開発
Project/Area Number |
13771529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
水野 道代 石川県立看護大学, 助教授 (70287051)
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Keywords | がん看護 / 外来看護 / ニーズ / 継続的ケア |
Research Abstract |
本研究の目的は、がんが人間の生活にもたらす多次元的な影響を包括的にアセスメントできるツールを開発するために、がん患者のニーズとその関連因子を明らかにすることである。本年度は、調査用紙を作成し、アンケート調査を実施した。 まず、がん患者のニーズに関する文献検討及びがん看護実践に携わってきた研究協力者とのブレーンストーミングの結果をもとに、外来通院中のがん患者のニーズを把握するためのアンケート項目を導き出した。作成プロセスの詳細は、第16回日本がん看護学会(於:松山)で発表した。次に、作成した調査票を用いて県内の総合病院2施設において、消化器外来に通院中の外来患者計300名を対象に無作為にアンケート調査を実施したところ、郵送にて計163の調査票(回収率54.0%、有効回収率47.3%)を回収することができた。現在結果を分析している段階にて、その概要のみ示す。自分はがんであると認識している患者はそうでない患者に比べて、再発の不安や、死や死ぬことへの悩み、あるいは「どうしてこんな事に…」といった思いを高く持っていた。特に再発の不安は、彼らの活動レベルとは無関係に、がん患者の関心事となっていた。また、男性は女性に比べ、性に関するニーズを高く持っていた。疾病や療養生活に関する情報を得るといったニーズを示した項目の多くと、必要な時にはすぐに受診したり入院したりできるという項目は、生活背景や治療状況、活動レベルに左右されることが少なく、広く一般に必要とされているニーズを示していることが分かった。 来年度は、調査対象者を県外に広げ、対象者数を増やし、調査結果を統計的に検証する予定である。それと同時に、本年度米国の指導者より得た示唆をもとに、インタビュー調査を加えることで、外来がん患者が本当に必要としているニーズの実体を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)