2001 Fiscal Year Annual Research Report
青年期の患者が自己の健康管理を主体的に行うことに関連する要因
Project/Area Number |
13771532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | College of Nursing Art and Science, Hyogo |
Principal Investigator |
来生 奈巳子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (30316054)
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Keywords | 成人移行期 / 先天性疾患 / 小児慢性疾患 / 自立 / セルフケア / 健康管理 / 青年期 / 小児医療 |
Research Abstract |
出生時より先天性疾患を抱えていたり小児期から疾患を抱えながら成長してきた患者が、これまでの生活において、どのように病気を理解し社会との関係を形成してきたのか、また、自分の健康管理においてどのように自立してきたのか、について明らかにすることを目的に研究調査を行った。今年度は、来年度の大規模調査に向けて質問紙を作成するために、承諾を得られた先天性心疾患をもつ患者4名ずつ2グループと、腎疾患をもつ患者4名の3グループに対しフォーカスグループインタビューの手法を用いた質的帰納的研究方法にて行った。対象は、24〜38歳の12名(男性3名、女性9名)であった。 その結果、先天性疾患の患者も小児慢性疾患の患者も身体的な不自由さを感じたり他者との違いを体験する中で徐々に病気であることを認識していっていた。しかし、客観的な知識として自分の病気を理解するための他者からの支援はあまりなく、患者自身が関心を持ったり必要に迫られた場合に自ら情報を得ようとしており、その時期は小学校高学年から大学、社会人になってからとまちまちであった。そして、その間長期の入院生活を体験したり周囲の理解が得られないなどによって社会との壁を感じていた。さらに、身体状態によっては進学や結婚などそれまで描いていた目標を修正したりあきらめたりする必要が生じていた。 このような体験の中で、患者は病気とともに生きていくために必要な情報や心理的支援を同病者から得ていたが、親や医療者、あるいは健常者の友人などにはあまり求めていなかったことがわかった。しかし、入院、治療、通院、を続けながら学校に通学したり職場で働くなど社会生活を送る上で自分なりの振るまい方をそれまでの体験から無意識のうちに獲得していた。 これらの結果をもとに、質問紙の素案を作成しプレテストを行いながら現在精錬を行っている。
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