2002 Fiscal Year Annual Research Report
周産期における食行動への看護支援 -体重自己管理を必要とする妊婦の胎児認知との関連から-
Project/Area Number |
13771534
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Research Institution | College of Nursing Art and Science, Hyogo |
Principal Investigator |
田村 康子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (80326305)
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Keywords | 周産期 / 食行動 / 体重増加 / 体重自己管理 / 胎児認知 / 妊婦 / 看護 |
Research Abstract |
平成13年度から継続して関わった2名の妊婦に加えて、平成14年度は7名の妊婦に半構成的インタビューを行った。研究参加条件にあう妊婦になかなか巡り会わなかったため、データ収集期間を延長し、平成15年の2月にデータ収集を終了した。データ収集期間延長については大学に設置されている研究倫理委員会にて承認を受けた。研究参加者9名中、1名は研究参加を途中で辞退され、最終的に8名の妊婦を対象とした。対象者は全員が合併症を有さない初産婦であり、平均年齢は27.3歳(20歳〜32歳)であった。非妊時の平均BMIは22.5(最小17.1〜最大22.6)であった。インタビューは妊娠20週前後、28週前後、36週前後に行い、インタビュー前3日間の食事内容の記録を依頼した。インタビューの構成内容は「生活に関すること(食行動を中心に日常生活活動の実際や思い、家族の状況)」「身体に関すること(身体の変化、症状の有無、体重への関心)」「胎児に関すること(胎児についての思いや気をつけていること、育児準備など)」である。これらの内容を逐語録に直し、妊婦が胎児の存在をどのように認知しているのか、および適正な体重増加のための行動変容に関する要素を分析した。胎児の認知に関して、妊婦は胎児の存在を認識する一方で、自分と胎児の境界を不明瞭に表現しており、胎児を自分と一体化したものとして認識していることが示唆された。食行動に関しては、対象の妊婦の食行動は家族を含めた生活の中で本人が望むパターンから構成されており、そこに身体状況や苦にならないなど認知的な要因が加わって選択されていたことが明らかとなった。看護職のアドバイスは一般論として正しいものであっても、対象者の生活のパターンやそれに関連する要因に添わない場合は、食行動を変容するための方法として選択されていなかったことが示唆された。
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