2001 Fiscal Year Annual Research Report
本邦における生体部分肝移植ドナーのQuality of Lifeについて
Project/Area Number |
13771551
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Keio Junior College of Nursing |
Principal Investigator |
添田 英津子 慶應義塾看護短期大学, 小児看護学, 助手 (70310414)
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Keywords | 生体部分肝移植 / 生体ドナー / QOL / SF-36 / 移植看護 / 移植コーディネーター |
Research Abstract |
本邦において、1997年に臓器移植法が施行されたが、脳死ドナーからの臓器提供者が少ないのが現状である。よって、生体ドナーから肝臓の一部を移植する生体部分肝移植(Living Donor Liver Transplant以後LDLTxと略す)が、脳死肝移植(Cadeveric Liver Transplant以後CLTxと略す)よりも圧倒的に奨励数が多い。 1989年、島根大学の永末らによってわが国最初のLDLTxが施行された当初、LDLTxは主に小児の先天性胆道閉鎖症患児を対象とし、まずは肝臓末期状態にある患児を救うためのものであった。生体ドナーへの浸襲を考慮し、親の肝臓左葉(右にくらべて小さい)が子どもへ移植されていた。しかし、近年の手術手技や術後管理の進歩により、ドナーの右葉を摘出し移植することも可能となった。結果として、肝移植の適応が成人の末期状態患者へと拡大してきている。生体ドナー(Living Donor以後LDと略す)の死亡した報告は無いが、術後のQuahty of Life(以後QOLと略す)についての研究は少ない。この研究の目的は、生体肝移植ドナー術後のQOLを身体的・精神的・杜会的に評価するとともに、看護介入への一示唆を得るものである。 これまで、LDのQOLに関しての文献検索を行った。LDのQOL研究は、身体的評価(合併症の有無)に基づくものがほとんどであり、それらの研究も合併症の捉え方によりデータの解釈に差異があることがわかった。その視点から、研究方法やQOL評価に用いる尺度をWHOQOLからShort Form-36(以後SF-36と略す)へと変更し、さらなる情報を得るための調査用紙を開発した。今後は、それらを用い移植施設で調査を進める段階である。
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Research Products
(1 results)