2002 Fiscal Year Annual Research Report
走トレーニングは脳における海馬神経の新生・増殖および認知機能を促進するか?
Project/Area Number |
13780008
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
福田 理香 活水女子大学, 健康生活学部, 助教授 (30312838)
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Keywords | 走トレーニング / 運動強度 / 神経新生 / 神経栄養因子 / 神経栄養因子 / 認知機能 / 脳の可塑性 |
Research Abstract |
(目的)走トレーニングが海馬神経の新生・増殖および認知機能を促進するか否か、またこれらはトレーニング強度の違いによって異なるか否かについて検討すること。 (方法)2ヶ月齢、Wistar系雄ラット60匹を走トレーニングのスピードの違いによって、LOW-RUN(10m/min)とHIGH-RUN(25m/min)およびCONTROL群の3群に分けた(各20匹)。RUN群は各スピードで60分間のトレッドミル走を5回/週、4週間行わせた。コントロール群は60分間トレッドミル内に静置した。また、細胞増殖を評価するために、DNA合成期(S期)の細胞に取り込まれるBrdU(5-bromodeoxyuridine)を実験期間の後半2週間、毎日腹腔内投与した。トレーニング期間終了2日後に、各群10匹ずつ安楽死させ、PFA固定後、脳サンプルを摘出し、免疫組織化学的分析を行った。残りの各群10匹はさらにゲージ内で飼育し、Waster mazeテストを1週間かけて行った。 (結果および考察)海馬歯状回(DG)の顆粒細胞層におけるBrdU positive cellの数は、RUN-HIGH群で高値を示す傾向が認められた。Water mazeテストでは、プラットフォームにたどり着くまでの時間は、初日から3日目までにおいてのみRUN-HIGH群テストが短い傾向にあったが、泳速度は3群とも同様であった。以上の結果と昨年度の研究の結果(RUN-HIGH群において海馬DGのBDNF-mRNAが有意に増加した)は、高強度のトレーニングによって海馬歯状回の細胞増殖が盛んに行われ、その結果認知機能を高める可能性を示唆するものである。また、これらにはBDNFの関与が考えられた。
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