2001 Fiscal Year Annual Research Report
大学体育系科目および生涯スポーツにおける障害者と健常者のスポーツ統合の可能性
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13780046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
綿 祐二 長崎国際大学, 人間社会学部, 助教授 (70240471)
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Keywords | 障害を持つ学生 / 大学体育系科目 / 生涯スポーツ / スポーツ統合 / スポーツ参与 / 障害者スポーツ / 混合型授業 |
Research Abstract |
【目的】障害を持つ学生と健常の学生との「混合型」の授業を展開している大学を有意に抽出し、学生授業評価による「スポーツ統合」のプラス要因やマイナス要因を明らかにし、障害者と健常者のスポーツ統合の成立規定要因を明らかにすることを目的とした。【方法】大学体育系科目において障害を持つ学生と健常の学生が同時に授業を実施している56大学を対象として、「混合型授業に対する学生授業評価」を郵送法による質問紙調査を実施し、有効回答数72であった。【結果】実施授業科目は、盲人卓球、盲人バレーボール、車椅子バスケット、車椅子バドミントン、車椅子卓球であった。授業運営法は、障害者スポーツ体験が77.7%、健常者スポーツを媒体とした授業が23.5%、リハビリを目的としたエクササイズ授業が1.6%であった。学生授業評価の結果、障害を持つ学生の意識のプラス要因として1)障害者がリーダーシップを取り能動的に授業参加が出来る、2)障害者スポーツの理解が深められた、3)障害者に対する理解が得られたなどがあげられた。マイナス要因として、1)健常者のスポーツ参与の方法が困難(スピード、移動へ対応)、2)精神的負担度(健常者への遠慮)、3)用具への対応などがあげられた。一方、健常の学生の意識のプラス要因として、1)障害者に対する理解が深まった、2)初めて障害者スポーツを知った、3)ボランティアへの関心が高まったなどがあげられた。マイナス要因として、1)障害に対する知識不足による援助に対する不安、2)障害に対する医学的理解不足、3)障害者のスピードへの対応などがあげられた。体育系科目におけるスポーツ統合を考えた場合、1)健常学生に対する障害者の基礎的知識の教授、2)障害者と健常者のスピードや移動の差異への援助方法論的対応、3)障害を持つ学生および健常学生の障害者スポーツへの意識改革の必要性があることが示唆された。
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