2001 Fiscal Year Annual Research Report
機械工業のグローバリゼーションと「地元協力会」の変質に関する地理学的研究
Project/Area Number |
13780057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鹿嶋 洋 三重大学, 人文学部, 助教授 (50283510)
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Keywords | 工業地理学 / グローバリゼーション / 工業集積 / 機械工業 / 地元協力会 |
Research Abstract |
今年度は,以下の3点を実施した. 1.機械系主要企業の国内外における立地動向の把握 まず電気機械系メーカーを対象に,有価証券報告書を用いて国内外の工場立地状況に関する情報を収集した.次に,とりわけ半導体部門に注目し,産業タイムズ社『半導体産業計画総覧』を資料として,主要メーカーの90年代以降の設備投資戦略に関する情報を収集した. その結果,中部地域の半導体産業の現状および関連企業群との関連性について,以下の点が判明した.まず中部地域のIC産業は対全国比で5%弱の生産シェアを占めるに過ぎないが,量産機能のみならず,開発・試作機能も配置されている.当地域のIC産業の性格は,自動車産業などの既存の産業集積の存在によって大きく規定されている.すなわち,IC工場立地の遅れと地元企業のIC生産への参入の少なさなどである.その一方で,製造装置や資材関連など,IC関連産業では域内に一定の集積が認められ,当地域の集積の裾野の広さに立脚して存立していると推察される.さらに近年,ICメーカーは,脱DRAM化に向けて,フラッシュメモリーやシステムLSIの強化を図る一方で,DRAM需要の急落を受けた生産の削減,さらには立地再編を始めている. 2.機械工業の地域的動向の検討 工業統計データをCD-ROMにより入手し,機械工業の地域的動向の検討を始めた.現在は,地域別にみた増減パターンの抽出を進めている. 3.対象地域の絞り込み 上記の作業を通じ,中部地域において電気機械メーカーの立地再編がみられることが明らかとなった.そこで現在は本研究の対象地域を中部地域に絞る方向で,調査対象企業のリストアップを進めつつある.
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Research Products
(1 results)