2001 Fiscal Year Annual Research Report
マイタケ中の糖尿病改善作用物質の検索と作用機序の解明
Project/Area Number |
13780095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
堀尾 拓之 西九州大学, 健康福祉学部, 助教授 (90229229)
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Keywords | Grifola frondosa / マイタケ / 糖尿病 / Streptozotocin / 耐糖能試験 |
Research Abstract |
平成13年度はストレプトゾトシン(STZ)をWistar系雄性ラットに投与して糖尿病を引き起こしたラットに対してマイタケが糖尿病の諸症状にどのような影響を及ぼすのかについて観察を行った。実験食投与期間は110日間であるが、これまでの実験では糖尿病を事前に起こしたラットにマイタケを投与したが、今回は糖尿病になる前にマイタケを投与しておいてから糖尿病を引き起こした時に糖尿病に対してどのような影響があるのか観察した。4週令のラットにコントロール食を1週間投与した後、マイタケを20%含む実験食を投与して(或いはコントロール食だけを投与して)、25日目にSTZを腹腔内に50mg/kgBW投与して糖尿病を引き起こした。コントロール食を投与したラット(DC群)は糖尿病になった後、体重増加量は僅かであった。マイタケを事前に投与したラット(DM群)は、有意にDC群よりも体重増加を観察した。その後55日目にはDC群にもマイタケを投与する実験に切り替えたが、大きな体重増加の改善は観察されなかった。耐糖能試験をみるとSTZ投与後4週目においてDC群は空腹時血糖値371±16mg/dL、最高血糖値493±30mg/dLと上昇していたが、DM群では空腹時血糖値91±7mg/dL、最高血糖値184±5mg/dLと大幅な血糖値の抑制を観察した。その後7週目、11週目にも耐糖能試験を行ったが、DM群は非糖尿病ラットと変わらない程度の血糖値を示していた。その他、摂食量、飲水量、尿量、尿糖もDC群は悪化する傾向にあったが、DM群ではその上昇が抑制されていた。即ち糖尿病を発症する前にマイタケを投与するとSTZの毒性から膵臓のB細胞を防御して糖尿病を引き起こさないようにしたのではないかと思われた。 14年度は引き続き血中インスリン濃度とマイタケの抗糖尿病作用の解明を進めていく予定である。
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