2001 Fiscal Year Annual Research Report
拡張現実感の聴覚障害者に対する情報保障への応用に関する研究
Project/Area Number |
13780128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
西岡 知之 筑波技術短期大学, 電子情報学科・情報工学専攻, 助手 (70310191)
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Keywords | 拡張現実感 / 聴覚障害 / 情報保障 / ヘッドマウントディスプレイ / 手話通訳 |
Research Abstract |
今年度は計画書に従い拡張現実感の構成技術についての基礎調査を行った。特に画像による情報示装置についての評価を行った。評価した画像情報提示装置は次の2つである。 没入型提示装置は、視野全体を提示装置で覆い、画像処理された外界の映像を提示するものである。試作した提示装置は民生品で容易に構成できるものであったが、外界の映像の表示自体には十分な品質が得られることがわかった。一方で、拡張された情報を正確に外界の映像と重ね合わせて表示するためには、高精度かつ高速度で外界オブジェクトの位置情報またはユーザの視線情報の取得が必要であることがわかった。この種の情報取得システムについての調査を行い、現状ではスケールダウンが不十分であり、本研究には直接適用できないことがわかった。 開放型提示装置は、透過型HMDを用い、通常の視野の一部に情報を提示するものである。装置が小型であるため、装着に伴うユーザの負担が小さい一方、視野全体に情報を提示することができないため、提示する情報は外界と完全にリンクさせることができない。現時点で最も軽量なデバイスについて評価を行ったところ、光量不足のため屋外では利用できないことがわかった。このため、当初計画にあった市街地歩道での評価は行わないこととした。閉鎖空間の一例として教室における講義を取り上げ、字幕と手話通訳動画の2種類についての予備的な評価を行い、動画の提示には能力不足であるとの結果を得た。手話通訳動画像においては、通常の通訳とは異なる配慮が必要であることがわかった。また、講堂での講演を想定した字幕表示についても予備実験を行い、画像の明るさおよび像の大きさについて、教室での講義よりも高い評価を得られることがわかった。
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