2001 Fiscal Year Annual Research Report
学生間のコミュニケーションを促進させるためのインターネットコンテンツの開発
Project/Area Number |
13780133
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
田口 真奈 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助手 (50333274)
|
Keywords | 高等教育 / 授業研究 / インターネット / コミュニケーション |
Research Abstract |
京都大学高等教育教授システム開発センターが提供する全学部2-4年生対象の一般教育「教育とコミュニケーション」及び、慶應大学総合政策学部井下理教授が担当する2-4年生対象の「井下ゼミ」との連携によって行われるKKJ実践(KYOTO-KEIO JOINT SEMINAR)において、通常授業(オフライン)及び、インターネットを用いたコミュニケーション(オンライン)に関する参与観察を行った。可能な限り京都大学側、慶応義塾大学側の授業を平行して観察し、また、授業終了後には受講生に対する半構造的インタビューを実施した。これらのデータについては現在分析中である。 また、京都大学及びUCLAとの間で行われた遠隔講義について、受講者に対しては文章完成法による質問紙調査を、また講師に対しては授業終了後の毎回のインタビュー調査を行い、これらのデータについて分析を行った。その結果、たとえ一斉講義であっても講師は学生の微細な反応から学生の実態をとらえようとしながら授業を組み立てており、遠隔講義の場合には画面の向こう側の学生の様子をいかに講師が把握できるかということが重要であり、この点がシステムによって支援されることが重要であることが示唆された。 インターネットを用いた授業において学生がいかにコミュニケーションをはかるかについては、そのコンテンツと授業をどのように連関させるかが重要である。しかし、高等教育における授業研究は未だその途についたばかりであり、その方法論も十分に確立されてはいない。そこで今年度は特に授業者の授業構成に焦点をあて研究を実施し、その成果をいくつかの研究論文、また著書の一節としてまとめた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 村上正行, 田口真奈, 溝上慎一: "日米間遠隔一斉講義における講師・受講生の評価変容の分析"日本教育工学雑誌. Vol.25(3). 199-206 (2001)
-
[Publications] 神藤貴昭, 田口真奈: "授業枠のゆらぎ-大学における学生主導型授業の構築の可能性-"教育方法学研究. Vol.26. 119-127 (2001)
-
[Publications] 溝上慎一, 田口真奈: "ポジション理論を援用して授業者の成長を見る"京都大学高等教育研究. Vol.7. 57-69 (2001)
-
[Publications] 神藤貴昭, 田口真奈, 村上正行: "高等教育におけるインターネット利用の可能性-バーチャル・ユニバーシティ構築に向けて-"京都大学高等教育研究. Vol.7. 111-130 (2001)
-
[Publications] 田口真奈, 吉田文: "高等教育機関におけるIT化指標作成の試み"日本教育工学会第17回大会講演論文集. 385-386 (2001)
-
[Publications] 中原淳, 山内祐平, 須永剛司, 今井亜湖, 田口真奈, 井藤亨: "協調学習を支援するWeb学習コミュニティシステムの開発"日本教育工学会第17回大会講演論文集. 461-462 (2001)
-
[Publications] 溝上慎一, 山内乾史, 神藤貴昭, 尾崎仁美, 田口真奈, 米谷淳, 田中毎実: "大学授業研究の構想-過去から未来へ-"東信堂. 240 (2001)