2001 Fiscal Year Annual Research Report
自由英作文に対するフィードバック及びドリルが形式上の正確さにもたらす効果の研究
Project/Area Number |
13780136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊達 正起 福井大学, 教育地域科学部, 助教授 (30259858)
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Keywords | フィードバック / ドリル / 気づきの促進 / 気づきの強化 / メタ言語知識 / 誘出 / 文語英語 / 個人内インタラクション |
Research Abstract |
本研究の目的は2つある。まずは、どのフィードバック(訂正、指摘、メタ言語的誘出[エラーを指摘し、「主語は何人称?」といったメタ言語的情報を誘出の形で与えたもの])がエラーの気づきに効果的なのか調べる。さらに、ドリル問題(「私は眼鏡を持っている=I ( ) glasses.」・「その家は素敵な雰囲気を持っている=The house ( ) a nice atomosphere.」の空欄を埋めることで両者の違いを対比)が、フィードバックがもたらした気づきの保持に有効であるのかを調べる。実験は、エラー認知力の差がない6グループを対象に行った。まず、プリテスト(4種類の文章を読んでその中に含まれるエラーを自力で探し修正)を与えた。3週間後にtreatment 1(プリテスト時とは異なる文章中にあるエラーを文章中のフィードバックを手がかりに自力で探し、エラーを分析)を与えた。この時、各グループには異なるフィードバックを与えた(A:訂正、B:指摘、C:メタ言語的誘出、A':訂正+ドリル、B':指摘+ドリル、C':メタ言語的誘出+ドリル)。1週間後に、別の文章を使ったtreatment2とポストテスト1を、さらに2週間後にポストテスト2を与えた。そして、テストの点数差(プリテストとポストテスト1、プリテストとポストテスト2)を分析した結果、次の4点が明らかになった。(1)訂正をドリルと与えた場合、訂正のみを与えたり指摘とドリルを与えた場合より多くの気づきを起こすが、気づきの保持は期待できない。(2)指摘の場合、気づきとその保持の程度はドリルの有無に関わらず等しい。(3)メタ言語的誘出でも気づきの程度はドリルの有無に関わらず等しいが、ドリルがある場合、メタ言語的誘出のみを与えたり訂正や指摘(ドリルの有無に関わらず)を与えた場合より多く保持する。(4)フィードバックのみを与える場合には、種類に関係なく、気づきとその保持の程度に差は見られない。
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