2001 Fiscal Year Annual Research Report
類義語分析における例文作成の有効性とストラテジー訓練に関する研究
Project/Area Number |
13780161
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
坂口 和寛 信州大学, 人文学部, 講師 (70303485)
|
Keywords | 日本語分析 / 類義語分析 / 日本語教師 / 日本人大学生 / 例文作成 / 例文分析 / ストラテジー |
Research Abstract |
日本語教師と日本人大学生に対して個別に面接調査を行い、類義語分析課題に対する両者の取り組みと分析プロセスを調べた。そして、そこで得た発話データをプロトコル分析法によって分析した。これまで得てきた日本語教師データのほか、今年度は、日本人大学生への調査をさらに進め、データ数を増やした。プロトコルデータの分析では、ストラテジーという観点から見た例文作成行動、例文作成と例文分析から生じる類義語分析のつまずきについて、教師と大学生の共通点と相違点を探った。結果、例文作成ストラテジー使用への積極性、そして作成する例文数に大きく違いが見られた。 調査と同時に日本語研究や日本語教育学研究における日本語分析方法論を概観することで、例文作成の重要性や方法について把握した。その結果、調査データの分析から明らかにできた例文作成行動の特徴や問題点から、例文を連続的・連鎖的に作成するというストラテジーの使用の意識化が必要と認められた。現在は、教師養成において日本語分析技術を高めるための訓練の可能性を探る段階に進んでいる。指導や訓練が可能と思われるストラテジーとその使用手順を特定し、インストラクションを作成している。具体的には、例文を複数作るためのストラテジー使用をどのように情報として伝えるか、その構造化と順序立てを行っている。
|