2001 Fiscal Year Annual Research Report
超分散広域環境におけるソフトウェア開発環境に関する研究
Project/Area Number |
13780230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松下 誠 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (60304028)
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Keywords | ソフトウェアシステム開発 / 版管理システム / コミュニケーション / デバック支援 / フレームワーク |
Research Abstract |
本年は,超広域分散環境におけるソフトウェア開発環境に関するさまざまな課題に対して取り組み,以下のような成果を得た. 超分散環境の具体例であるオープンソースソフトウェア開発では,版管理システムを中心とする開発スタイルが一般的である.この種の開発では,開発者が世界中に分散していることから,開発者間のコミュニケーションを円滑に行えるようにすることが開発を進捗させる上で重要な課題であるが,既存の環境は十分な支援を行っているとはいえない.そこで,版管理システムの持つ情報を利用して,開発者間コミュニケーションを支援するシステムの提案を行った.本システムでは,過去のコミュニケーション履歴と版管理システムヘ蓄積された開発履歴を統合したデータベースを用いて,コミュニケーション時に必要となる情報を提供することを目指すものである.本システムにより、開発者が現在行われている作業内容を容易に抽出することが可能となり,開発者相互の状況がわかりやすくなることが期待される.コミュニケーションを行うにあたって共通の知識を定量的に得ることが可能となるため,コミュニケーションを円滑に行うために役立つ.版管理システムに記録されている過去のプロダクトの開発履歴を閲覧することにより,過去の開発に関してより深い理解を得ることができると考えられる. しかし,過去の開発履歴の閲覧手段はソースコードの差分情報と作業記録を単純に提示するだけであり,開発中に現在作業中のソースコードと似たようなソースコードを探しだすことは不可能であった.そこで,版管理システムに蓄積されたソースコードの変更履歴をデータベース化して,そのデータベースをソースコード片を入力として検索した結果を用いたソースコード修正支援手法を提案する.本手法によって,ソフトウェア保守において過去の開発履歴を容易に参照することができ,修正作業が行いやすくなることが期待できる.
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[Publications] 石川武志: "ソフトウェア開発時における版管理システムを利用したコミュニケーション支援システムの提案"情報処理学会研究報告(2001-SE-133). Vol.2001 No.92. 23-30 (2001)
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[Publications] 田原靖太: "既存ソフトウェアの変更履歴を利用したソースコード修正支援手法の提案"情報処理学会研究報告(2002-SE-136). Vol.2002 No.23. 57-64 (2002)