2001 Fiscal Year Annual Research Report
機能的設計知識の共有のための機能オントロジーに関する研究
Project/Area Number |
13780281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
來村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20252710)
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Keywords | 人工知能 / 知識工学 / 機能表現 / 設計支援 / オントロジー / 知識共有 |
Research Abstract |
本研究では機能的設計知識の中で,機能を達成する部分機能系列を表す「機能達成方式知識」を主な研究対象として,(1)機能的設計知識の規約を明らかにする,(2)設計知識共有を支援する計算機システム(設計知識サーバ)を実現することを目標としている.本年度では,以下のように実際の機能的知識の記述を通して,前者の達成を目指した. (1)半導体生産プロセスを例題として,生産上の機能を達成するための各種の方式を専門書から収集した.例えぱ,半導体の切断プロセスから,ワイヤーを用いた往復切削切断方式やブレードによる回転切削方式といった一般性の高い機能達成方式を抽出した. (2)従来の研究で同定された衣類洗濯機における達成方式知識と合わせて検討し,一般性のある達成方式知識の記述の枠組みを検討した.例えば,プラントシステムと歯車などの機構システムでは媒体といった基礎概念が異なることが知られていたが,一般的なシステム理論の概念を拡張することでプラント,機構系,生産プロセスを統合する概念を同定し,共通基盤となる概念体系を構築した. (3)得られた記述の枠組みをオントロジーとして計算機的に定式化した.申請者らが別研究として開発中のオントロジーエディタと呼ばれる知識記述環境を用いて,購入した知識記述用計算機上で概念と概念間の関係,それらの公理として意味を明確化した. (4)得られたオントロジーの規約に則って半導体生産プロセスと衣類洗濯機における機能達成方式知識を実際に記述した.オントロジーに基づくことで,知識の記述のゆれや不適切な記述を防ぐことが出来ることを確認した. このように機能的設計知識の概念的規約を明らかにした.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 来村徳信, 溝口理一郎: "オントロジー工学に基づく機能的知識体系化の枠組み"人工知能学会誌. 17・1. 61-72 (2002)
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[Publications] 来村徳信, 他: "機能オントロジーに基づく機能的知識の体系的記述とその機能構造設計における利用"人工知能学会誌. 17・1. 73-84 (2002)
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[Publications] Kitamura Y., et al.: "A Functional Concept Ontology and Its Application to Automatic Identification of Functional Structures,"Advanced Engineering Informatics. (To appear). (2002)
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[Publications] Kitamura, Y., Kasai, T., Mizoguchi, R.: "Ontology-based Description of Functional Design Knowledge and its Use in a Functional Way Server"Proc. of the Pacific Asian Conference of Intelligent Systems 2001(PAIS 2001). 400-409 (2001)