Research Abstract |
問題作りは,作られた問題が満たすべき条件によっていくつかの形態に分けられる.本研究では,ある解法で解ける問題を作成するといった,「解法ベースの作問」を取り上げた.解法ベースの作問では,まず,(I)学習者は,四則演算を用いた計算式を入力する.ここでは,入力された計算式が解法に相当する.次に,(II)学習者は,システムの提供するテンプレートと概念を用いて,単文を作成する.さらに,(III)システムは,個々の単文が,オブジェクトと属性と属性値の三つ組み(基本関係と呼ぶ)を表現していると解釈する.複数の単文が与えられ,それらを問題として診断するように学習者が依頼すると,(IV)でシステムはそれらの単文から得られた基本関係から,意味ネットワークを生成する.次に,(V)その意味ネットワークから数量関係を取り出し,解を導く計算式を立てる.最後に,(VI)学習者が入力した計算式と,問題より導びいた計算式を照合する.以上を基本動作とする知的CAIを本年度は以下のように実現した. (1)問題入力用インタフェイスの実現:教科書等に掲載されている和と差の文章題を収集分析し,それらを取り扱えるテンプレートおよび概念を用意した.学習者による計算式の入力やテンプレートおよび概念の選択については,GUIを用いて直観的に操作可能なように設計した. (2)問題診断機能の実現:本システムでは,学習者の作った問題の解決を試み,それが解けないこととして,問題の誤りを検出する.また,本診断機能は,検出された誤りの修正案の作成も行う. (3)フィードバック生成機能:診断結果に基づいて,問題の正誤と修正へのこアドバイス,あるいは次の課題を提示する機能を実現した.
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