2002 Fiscal Year Annual Research Report
「問題を作ることによる学習」を支援する知的CAIに関する研究
Project/Area Number |
13780292
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
平嶋 宗 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10238355)
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Keywords | 作問学習 / 知的CAI / 学習支援 / 学習者モデル / 診断機能 |
Research Abstract |
問題作りは,作られた問題が満たすべき条件によって幾つかの形態に分けられる.本研究では,ある解法で解ける問題を作成するといった,「解法ベースの作問」を取り上げた.平成13年度においては,この解法ベースの作問を支援する知的CAIの構成要素として,(1)問題入力用インタフェイス,(2)問題診断機能,(3)作問支援フィードバック生成機能,を実現した.平成14年度においては,これらの機能を統合し,作問学習に運用できる知的CAIを実現した.具体的には,和と差で解決可能な算数の文章題を対象とし,学習者自身がまず和と差の式を宣言し,その式で解決可能な文章題を用意されたテンプレートと概念を組み合わせることを作成する.システムは,作成された問題を診断し,解決可能かどうか,学習者が宣言した解決方法と一致しているかどうか,を診断し,誤りの指摘,および修正の方法を指摘することができる. さらに,この知的CAIを用いた授業を小学校において実施した.具体的な対象学年としては,小学校の4年生から6年生とした.実施により得られたデータを分析することで,(a)小学4年生以上であれば本知的CAIを用いた作問学習が実施できること,(b)本システムを利用することで学習者の作問能力が上がること,(c)問題解決能力および問題分類能力に対しても向上がみられること,が確認できた.これらのことから,本知的CAIを用いた作問学習の有望性が確認できた.
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[Publications] 松田憲幸, 野本豊裕, 平嶋宗, 豊田順一: "Webブラウジングを対象としたページ分割による情報フィルタリング手法の提案と評価"システム制御情報学会論文誌. 15・4. 175-183 (2002)
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[Publications] 中野明, 平嶋宗, 竹内章: "演算の理解を指向した知的作問学習支援環境"人工知能学会論文誌. 17・5. 596-607 (2002)
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[Publications] 堀口知也, 平嶋宗: "誤りの修正を支援するシミュレーション環境・誤りの示唆性を考慮したEBSの制御"人工知能学会論文誌. 17・4. 462-472 (2002)
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[Publications] 國近秀信, 平嶋宗, 竹内章: "英語長文読解のための質問の複雑さの定義とその評価"人工知能学会論文誌. 17・4. 521-529 (2002)
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[Publications] 平嶋 宗: "教育的インタラクションと学習者モデリング"システム制御情報学会. 47・4(印刷中). (2003)