2002 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア・モバイルシステム向けネットワークスケジューリング方式の研究
Project/Area Number |
13780320
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
毛利 公一 立命館大学, 理工学部, 講師 (90313296)
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Keywords | マルチメディア / ネットワーク / リアルタイム / モバイルシステム / オペレーティングシステム |
Research Abstract |
本研究は,主として次の小テーマから成る. 1.モバイルシステム向けOSモジュール化方式 2.マルチメディアシステム向けリアルタイム入出力方式 3.マルチメディア通信向け帯域保証方式 モバイルシステムは,計算機資源や通信能力の制約が厳しく,かつ移動を考慮した環境適応性が必要である.これを実現するために必要な機構として,OSのコア機能を変更可能とする方式を研究した.本テーマでは特にスケジューラに注目し,スケジューラの機能の階層化を行い,種々の機能変更を可能とするインタフェースとしてユニバーサルインタフェースを提案した.これに,ローダプルカーネルモジュールの機能を適用することで,動的な変更を可能とした. マルチメディアシステムでは,入出力の時間制約を守る必要もある.本テーマでは,高速な入出力が可能であるが,スケジューリング可能性の判定が困難なDMAに注目した.ディスク入出力に横取りポイントを設定することで,DMAを用いた場合でも,スケジューリング可能性を判定可能とする手法を提案した.マルチメディアアプリケーションでは5%程度のオーバヘッドでリアルタイム性が保証可能である. 帯域保証方式は,Ethernetなど有線ネットワークにおける帯域制御機構を実現した.本機構を用いることで,3%未満の誤差でネットワークの帯域をアプリケーションに保証することが可能となった.本機構の構成は,ネットワークの物理層に依存しないため,無線通信のリアルタイム性が保証されれば,無線ネットワークにそのまま適用可能である. 無線通信のリアルタイム性の保証は,無線分野の研究と協調する必要があるため,本研究単独では解決していない.ただし,現在,無線分野の研究者と協調してこれを解決するテーマを立ち上げた. 以上のような実績が得られたとともに,さらに次の研究テーマへ発展が可能となった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tadahiko Maeda, Koichi Mouri, Eiji Okubo: "Multi-Wireless Standards and Wireless-Oriented Operating System for Antenna Subsystem Based on Space Domain Wireless Resource Scheduling"Proceedings of the 2002 Interim International Symposium on Antennas and Propagation. 362-365 (2002)
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[Publications] 笠井 秀一, 並木 美太郎, 毛利 公一: "動的なコンフィグレーションを可能としたオペレーティングシステムの構成手法"情報処理学会研究報告2002-OS-92. 2003・19. 39-46 (2003)
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[Publications] 勝部 弘嗣, 毛利 公一, 大久保 英嗣: "リアルタイム環境に適用可能なUltra DMA転送機構の設計と実装"情報処理学会研究報告2002-OS-92. 2003・19. 77-84 (2003)
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[Publications] 毛利 公一, 前田 忠彦, 大久保 英嗣: "次世代ワイヤレス通信を指向するオペレーティングシステムの提案"情報処理学会研究報告2002-OS-92. 2003・19. 107-114 (2003)