2002 Fiscal Year Annual Research Report
アドホックネットワークにおけるデータアクセス成功率の向上に関する研究
Project/Area Number |
13780330
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 隆浩 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (20294043)
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Keywords | アドホックネットワーク / アクセス性効率 / データ複製 / 移動体計算環境 / データ更新 |
Research Abstract |
本研究では,近年注目されている移動体のみで構成されるアドホックネットワークにおいて,ネットワーク分断時のアクセス成功率の低下を防ぐことを目的とする.そのためのアプローチとして,データのオリジナルをもつ移動体以外に,そのデータの複製を効果的に配置する. 2年計画の最終年度である本年度は,平成13年度に考案した複製配置方式を,実環境を考慮して拡張した.具体的には,データ更新が不定期に発生するアドホックネットワークを想定して,古い複製を無効化するための無効化情報の放送方式を考案した.更新方式は,オリジナルデータを持つ移動体がデータ更新を行ったときにのみ無効化情報を放送する方式(更新時放送方式)と,新たに移動体同士が接続した際に無効化情報を再放送する方式(接続時再放送)である.さらに,無効化情報を受信しなくても古い複製を破棄できるように,複製にタイムアウト時間を設けて,各移動体が自動的に複製を無効化する方式を考案した.これらの考案方式により,更新が発生して古くなった複製への無駄なアクセスの回数が削減でき,電力消費や計算オーバヘッドを低減できる. これらの考案方式は,シミュレーション実験によって性能評価を行い,アクセス成功率,トラフィック,古い複製へのアクセス回数などの観点から,有効性を確認した. さらに,考案方式の実環境での有効性を検証するため,プロトタイプシステムの実装を開始した.現在,その実装を進めている最中である.今後,実装したプロトタイプシステム上で,プロトコルオーバヘッドなども含めた詳細な運用評価を行う予定である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] W.-G.Wang, T.Hara, M.Tsukamoto, S.Nishio: "AODV Compatible Routing Protocol Using Rseudo Control Packets in Ad-hoc Networks"IPSJ Journal. 43・9. 2871-2883 (2002)
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[Publications] T.Hara: "Cooperative Caching by Mobile Clients in Push-based Information Systems"Proc.of ACM Int'l Conf.on Information and Knowledge Management. 186-193 (2002)
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[Publications] 原 隆浩: "アドホックネットワークにおけるプッシュ型配送データのための協調キャッシング方式"日本データベース学会Letters. 1・1. 67-70 (2002)
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[Publications] T.Hara: "Replicating Data with Aperiodic Update in Ad Hoc Networks"Proc.of IASTED Int'l Conf.on Communications, Internet and Information Technology. 242-247 (2002)
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[Publications] A.Kanzaki, T.Uemukai, T.Hara, S.Nishio: "Dynamic TDMA Slot Assignment in Ad Hoc Networks"Proc.of Int'l Conf.on Advanced Information Networking and Applications. (to appear). (2003)
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[Publications] T.Hara: "Replica Allocation Methods in Ad Hoc Networks with Data Update"ACM-Kluwer Journal on Mobile Networks and Applications (MONET). (to appear). (2003)