2001 Fiscal Year Annual Research Report
情報ネットワークのスケジューリングのためのm-バランス列とその拡張に関する研究
Project/Area Number |
13780358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三好 直人 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (20263121)
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Keywords | バランスの良い文字列 / m-バランス列 / ビリヤード列 / パターン・サーチ法 / スケジューリング / 情報ネットワーク / 待ち行列 / 定常特性 |
Research Abstract |
本研究の課題は,複数種類の文字を並べて無限に長い文字列を構成する際に,各文字に列の中で現われる割合(出現率)が与えられているときに,それを満足しながら如何にバランス良く(なるべく均等に)文字を並べるかという問題への取り組み,ならびにその情報ネットワーク等のスケジューリングや制御への応用についてです.この課題の遂行,およびこれに関連するテーマとして,今年度は以下の研究を行いました. これまでに研究代表者の研究室では,上記の問題に対して「m-バランス列」という概念を提唱しています.これは,mに0以上の整数値を代入することによって,各文字が任意の出現率を持つ任意の(半)無限列に対してバランスの良さの指標を与える(mの値が小さい程バランスが良い)ものです.また,このm-バランス列を生成するアルゴリズムとして,ビリヤード列(billiard sequences)と呼ばれる文字列を生成するものを考え,N種の文字からなるビリヤード列は必ず(N-1)-バランス列になることを示しています.しかし,このアルゴリズムの問題点として,与えられた出現率の組によっては,よりバランスの良い列が存在するかもしれないにもかかわらず,それが実現されない場合がありました.これは,生成される文字列のバランスの良さが,アルゴリズムの初期値に大きく依存することに依ります.この問題に対して,文字の出現率が有理数であるときには,生成される文字列が周期列になることを利用し,目的関数の値のみを用いて最適化を行う手法であるパターン・サーチ法を適用することによって,ビリヤード列を生成するアルゴリズムに最も良い初期値を与える方法を提案しました.これによって,出現率の組が与えられたときに,実現できる最もバランスの良い文字列を生成することが可能になりました.尚,この研究成果は現在論文にまとめているところです. 上記に加えて,応用に関する課題として,生産/通信システム等のモデルである待ち行列システムの定常特性に関する研究も行いました.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naoto Miyoshi: "On the stationary workload distribution of work-conserving single-server queues : A general formula via stochastic intensity"Journal of Applied Probability. 38(3). 793-798 (2001)
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[Publications] Naoto Miyoshi: "On the subexponential properties in stationary single-server queues : A Palm-martingale approach"「待ち行列理論とその応用: 未来への展望」 シンポジウム報文集. 250-259 (2002)