2001 Fiscal Year Annual Research Report
着離機操船時におけるタグ操船の安全性評価と支援システムの開発
Project/Area Number |
13780359
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | 東京商船大学 |
Principal Investigator |
石橋 篤 東京商船大学, 商船学部, 講師 (00242321)
|
Keywords | 多入力多出力制御系 / 操船者特性 / 船舶操縦性能解析 / 操船者特性 / 操船情報提供 / 支援システム |
Research Abstract |
本年度は操船シミュレータを用いたケーススタデイを実施し、曳船使用時の操船者特性の抽出を行った。 操船シミュレータ実験では仮想港湾および現実に存在する港湾を設定し、タグを用いた着離桟操船を実施し、操船目的および目的達成の方法(曳船の使用方法)の調査を行った。操作特性の抽出においては操船目標とする運動状態に対して支援タグを有効に活用し得るか否なかの観点から操船結果の解析を行った。以下に本年度の研究より得られた成果の概要を示す。 1.操船者が複数の運動を制御目標とする必要がある操船場面においては、使用する曳船の選定及びその制御量の決定が困難となる。すなわち、制御目標とする運動の数が多くなるにしたがい、操船目標に反する曳船操作の発生する可能性は高くなる。 2.操船目標に対する横偏位量が増加する運動状態にある時、操船目標に反する操作が発生しやすいことが判った。横移動制御中は船首および船尾の船体形状が前後非対称となっていることを考慮し操船する必要がある。また、操船者には精度の高い操縦運動状態の検出・解析能力、誤差修正のために必要となる制御力を推定するための操縦運動推定能力が要求される。さらに、操船者自身が求めた制御力を各タグに分配指令するための情報処理能力も要求されるためと考えられる。 3.操船目標に対する偏差を修正するために用いる曳船隻数が3隻以上となる操船場面においては操船目標に反する操作が発生する可能性が高くなることが明らかとなった。このことから、操船者が操船目標に対して有効に活用することが可能な曳船隻数は約3隻となることが考えられる。 4.短時間に多くの操作指示を行う状態においては操船目標に反する操作の発生する可能性が高い。操船目標に反する操作の発生率を低く抑えるためには、単位時間以内での操作指令対象隻数を少なくすることが有効である。 操船者は目標からの船首方位偏角・横偏位とその偏差量から、偏位を修正するために必要となる運動状態を判断し、必要となる制御力を曳船の支援によって誘起させる。この場合において、制御目標とする運動状態、操作指令時の自船運動状態、操作曳船隻数、操作頻度等により、その操作が操船目標に反する操作となる可能性が高まることが明らかとなった。操船目標に対する偏差を修正するための制御力を正確に求めかつ、要求される制御力を曳船に対し正確に力量配分するための情報を提供することが必要である。
|
Research Products
(1 results)