2001 Fiscal Year Annual Research Report
多次元位相空間における分布関数の高精度数値解法と専用計算ボードの開発
Project/Area Number |
13780380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
中村 恭志 宇都宮大学, 工学部, 助手 (40323315)
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Keywords | 衝突項 / プラズマ / 運動論的解析 / 専用計算機 / 数値解析 / CIP法 / 分布関数 / Fokker-Planck方程式 |
Research Abstract |
従来高計算負荷が実現の障害となっていた、衝突項の直接積分を含む位相空間内高次元計算格子に基づく分布関数の数値解法の実現を目指した。今年度は取組むべき衝突項として荷電粒子系に対するFokker-Planck(FP)型衝突項を取り上げ、直接解法の実現策として、その高速演算を実現しうる専用計算機の設計・開発、および専用計算機による演算高速化の有効性について検証を行った。具体的には、衝突項の並列解法により演算の高速化を計り、ローゼンブルースポテンシャルを求める多重積分専用パイプラインの設計を行った。設計されたパイプラインは大規模Programmable Logic Device(PLD)上へ実装され、汎用計算機の拡張ボードとして実証機が開発された。実証機はC言語等で記述された従来のソフトウェアと協調して動作するように開発された。さらに、有限差分法に基づくC言語によるFP型衝突項の計算コードを開発し、専用計算機の有効性について検証を行い、実証機は1パイプライン当たり約0.6GFLOPSの演算速度を達成することを確認した。一連の検証により、複数のPLDを使用してパイプラインの更なる多本化を計ることでおよそ10GFLOPS程度まで衝突項演算を高速化可能である見通しを得た。一方、開発された専用計算ボードと組み合わされるVlasov方程式の数値解析コードの開発も同時に進められた。次年度で専用計算ボードが組み込まれるPCクラスタ環境上で利用するために、Constrained Interpolation Profile法に基づく並列化Vlasovコードの構築を行った。また、粒子・電磁界相互作用等の複雑問題への適用を目指して、相対論的多粒子系Vlasovコードの開発とMaxwellコードの組込み、および有理関数に基づく補間法等によるVlasovコードの数値スキーム面での改善が行われた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中村恭志, 内田好則, 下タ村真由美, 川田重夫: "高次元位相空間における分布関数の高精度数値解法と衝突項直接積分"日本物理学会2001年秋季大会論文集. 2. 147 (2001)
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[Publications] Y.Uchida, T.Nakamura, K.Shimizu, M.Shitamura, S.Kawata: "Direct numerical solution of collision term in the fokker-planck equation toward a laser-plasma interaction"Proceeding of International conference on inertial fusion sciences and applications(IFSA2001). (In Press). (2001)
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[Publications] T.Nakamura, Y.Uchida, M.Shitamura, S.Kawata: "Constrained Interpolation Profile Scheme for Solving the Hyper-Dimensional Vlasov-Maxwell System in Laser-Plasma Interaction"Proceeding of International conference on inertial fusion sciences and applications(IFSA2001). (In Press). (2001)
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[Publications] T.Nakamura, Y.Uchida, K.Shimizu, M.Shitamura, S.Kawata: "Conservative constrained interpolation profile scheme for the simulation of the high-energy plasma"Proceeding of International Conference on Phenomena in Ionized Gases(ICPIG). 1. 297 (2001)