2001 Fiscal Year Annual Research Report
振動状態を考慮した水素分子衝突輻射モデルによる実験室・核融合プラズマの解析
Project/Area Number |
13780383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
澤田 圭司 信州大学, 工学部, 助教授 (40262688)
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Keywords | 水素分子 / ダイバータプラズマ / 分子活性再結合 / 非接触プラズマ / 衝突輻射モデル / 振動状態 / 高周波プラズマ / 粒子輸送 |
Research Abstract |
本研究では、我々が開発を進めてきた振動状態を考慮した水素分子衝突輻射モデルを粒子輸送コードに組み込み、それを実験室プラズマに適用することを計画している。この目的は、(1)粒子輸送コードDEGASの性能向上、(2)我々の計算機コードの信頼性の検証、である。 今年度、計算においては、振動状態を考慮した水素分子衝突輻射モデルを用いて水素原子・分子の生成・消滅など各種速度係数を計算し、DEGASに組み込んだ。分子電子基底状態の15の振動状態は緩和時間が遅く、かつそれらが同程度であり、DEGAS中ではこれらを別種粒子として扱う必要があった。そこで、各振動状態の生成・消滅の速度係数を、電子励起状態を経由する過程を考慮しながら計算した。現在、実験室放電装置の形状等を入力中である。 実験においては、高周波プラズマ実験装置の立ち上げを行った。当初、ヘリコン波プラズマを予定していたが、カスプ状磁場の方が高電子密度のプラズマが生成され、磁場300G、13.56MHz、1kW入力の水素放電で電子密度10^<12>cm^<-3>、電子温度5eV程度のプラズマが得られた。電子温度については、ダイバータプラズマと同程度の値が実現された。 水素分子衝突輻射モデルにより、水素原子バルマー線系列発光強度を解析した結果、主にそれらは分子活性再結合(H2+H+->H2++H,H2++e->H+H^*)の過程で生成された励起原子から放出されたものであることが強く示唆される結果となった。
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