2002 Fiscal Year Annual Research Report
原子炉サブチャンネル解析における冷却材のダイバージョンクロスフローの評価法
Project/Area Number |
13780412
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
加野 敬子 熊本大学, 工学部, 助手 (00332867)
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Keywords | Two-Phase Flow / Rod Bundle / Subchannel analysis / Non-equilibrium Flow / Diversion Cross-flow |
Research Abstract |
BWR燃料集合体内の熱流動予測に一般的に用いられる方法として,サブチャンネル解析法がある.この解法では複雑なロッドバンドル流路を仮想的な境界線によりサブチャンネルに分け,質量・運動量・エネルギの保存式を各サブチャンネルについて解く.その際に,サブチャンネル間の流体移動をより正しく評価し,それによる効果を考慮することが非常に重要である.また,二相流での流体移動は便宜上,差圧移動・ボイドドリフト・乱流混合の三つが独立に起こるとされ,それぞれについて定式化が行われる.本研究では,隣接サブチャンネル間に圧力差がある非平衡流の場合に起こるとされる差圧移動の評価式を実験により得ることを目的としている.そのために,サブチャンネル間の差圧,クロスフローする気液の流量,テストセクションでのボイド率を測定し,サブチャンネル間隙部での横方向の運動量式から求められたクロスフロー抵抗係数ζ(液相)と界面摩擦係数f_i(気相)に実験値を代入することで差圧移動の評価式を導出した.今年度は,より高精度で汎用性のある評価式を得るために,二つのサブチャンネルを持つ模擬ロッドバンドル流路(Ch. M-M)においてロッド間の間隙寸法S_<12>を変えて,気泡流からスラグ流にわたる範囲で実験を行った.前年度の研究成果より,二相流の実験値は単相流での実験で予想可能であるということがS_<12>=4mmの場合でわかっていたが,それと同様の傾向がS_<12>=1,2mmの場合でもみられた.さらに,今年度の実験により,間隙寸法の違いによる影響を含んだ評価式を得ることができた.将来的にはこの評価式を実際の数値計算に適用する予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kano, A.Kawahara, M.Sadatomi, S.Machidori: "Experiment and Modeling of Hydrodynamic Non-equilibrium Flow with Pressure Difference between Adjacent Subchannels"Compact Heat Exchangers-A Festschrift on the 60th Birthday of Ramesh K. Shah. 419-424 (2002)
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[Publications] 加野敬子, 川原顕麿呂, 佐田富道雄, 待鳥真一: "サブチャンネル解析におけるサブチャンネルクロスフロー抵抗係数の定式化について"日本混相流学会年会講演会(第3回)2002講演論文集. 221-224 (2002)
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[Publications] 加野敬子, 佐田富道雄, 川原顕麿呂: "気液二相流におけるサブチャンネル間差圧移動の評価法"日本機械学会九州支部第56期総会講演会講演論文集. (2003)