2001 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖構造解析による人工化学物質の生体影響評価法の開発
Project/Area Number |
13780436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka Women's University |
Principal Investigator |
牧野 泰士 大阪女子大学, 理学部, 助手 (70332955)
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Keywords | OLIGOSACCHARID / FLUORESCENT-LABELING |
Research Abstract |
糖鎖の構造解析を高感度に行うには、ピリジルアミノ(PA)化のように還元末端を蛍光標識する手法がよく用いられる。以前に、PA-二糖のスミス分解生成物をHPLCで分析することによって、二糖の結合位置を50〜500pmolで決定することが可能とされていた。今回、私はfmolレベルでの結合位置分析を目指して、より強い蛍光性を有する7-(1,3-ジスルホナフチル)アミノ(DSNA)化した二糖を用いた結合位置分析法の開発に取り組んだ。 還元末端がヘキソース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミンであるDSNA-二糖をスミス分解し、逆層HPLCで分析したところ、各々のDSNA-二糖から蛍光性の生成物が一種類ずつ検出された。これらを分取してFAB-MSで分析した結果、DSNA残基はスミス分解の条件下でも安定で、PA-二糖をスミス分解した場合と同様の結合位置に特異的な蛍光性生成物が得られることが確認された。また、これらの蛍光性生成物は逆層HPLCで互いに分離することが可能で、標準物質の溶出位置と比較することによって簡便に構造を明らかにすることができた。この一連の操作を、α-キシロシダーゼ(Bacillus sp.)の糖転移作用によって生成したXyl-Glc-DSNAの結合位置の解析に用い、その有用性を確認した。今回開発した手法は200fmolでの結合位置の決定が可能であり、従来の100分の1以下への微量化に成功した。 現在は、各種の人工化学物質の存在下で魚を飼育するとともに、その糖鎖の構造解析を行っているところである。
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