2001 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換細胞による生分解性ポリエステルの産生とその機能
Project/Area Number |
13780453
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 育雄 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (30314305)
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Keywords | ポリヒドロキシブチレート / 環境低負荷高分子 / Ralstonia eutropha / 形質転換 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
現在、鉄鋼に次ぐ基幹材料である合成プラスチックは、自然の物質循環システムに組み込まれないため、石油資源の枯渇と共に、地球規模での廃棄物処理問題や環境汚染の根源となっている。この問題の解決法として、自然環境下で分解し、分解物が自然環境に影響を与えない環境低負荷型プラスチックの開発が渇望されている。その有力な候補として、ポリエチレンやポリプロピレンなどの汎用プラスチックと同等の力学的性質を有する、微生物産生のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)類が着目されている。しかし、その生産には多大なコストが要されるため実用化には至っていない。 本研究は、ポリヒドロキシブチレート(PHB)産生菌であるRalstonia eutrophaより、PHB合成に関わる3種の酵素の遺伝子を他細胞に導入する。形質転換された細胞が産生するポリエステルの構造・物性・機能を評価し、新たな「環境低負荷型高分子材料」の開発を目的としている。 PHB合成に関係している3つの酵素、β-ketotiolase、D-reductase、およびPHA synthaseをコードしている遺伝子phbA、phbB、およびphbCの抽出をRalstonia eutrophaより行い成功した。また、これらの遺伝子をpUC19にクローニングすることにも成功し、現在、種々の動物・植物細胞への導入を検討している。今後、導入された遺伝子の機能発現を観察し、生合成されたポリエステルの構造解析や基礎的物性の評価、および生分解性試験を行う予定である。
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