2002 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイド前駆体タンパク質によるMMP活性調節機構の解析
Project/Area Number |
13780485
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
東 昌市 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (10275076)
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Keywords | アミロイド前躯体タンパク質 / ゼラチナーゼA / MT1-MMP / プロテアーゼインヒビター / プロセッシング |
Research Abstract |
アルツハイマー痴呆症は、脳内のβアミロイド蛋白質(βAP)の蓄積が主要な原因であると考えられている。βAPの前駆体蛋白質(APP)は膜結合型蛋白質として生合成された後、大部分がβAP領域内で切断され、その細胞外領域(sAPP,110kDa)が構成的に放出されつつ、βAPを産生しない経路で分解される。しかしながら、APPや放出されるsAPPの生理的役割については殆どわかっていない。私は昨年度の研究から、ゼラチナーゼA (MMP-2)に対するインヒビター領域がAPP770内586-595のアミノ酸配列内に存在することを見い出して来た。さらに、ゼラチナーゼA前駆体の活性化因子である膜型MMP(MT1-MMP)がAPPに作用すると、このインヒビター領域を欠く短い断片」 (80kDa)が細胞外に切り出されることが判明したことから、sAPPtrcを生じる新規プロセッシングには活性化されたゼラチナーゼAの機能を調節するという意義があるのではないかと考えている。本年度は、このAPPの新規プロセッシングを介したゼラチナーゼA活性調節機構を詳細に調べた。sAPPおよびsAPPtrcはともに細胞外マトリックス(ECM)成分であるコラーゲンやラミニンあるいはヘパラン硫酸鎖を持つプロテオグリカンなどと親和性を持つことから、ECM内に存在することが考えられた。実際、HT1080繊維肉腫細胞をMT1-MMP活性を阻害した条件下で培養するとsAPPがECM内に蓄積した。一方、MT1-MMPの阻害剤を除去して培養すると、ECM内のsAPPは速やかにsAPPtrcに置換されることが判明した。したがって、MT1-MMP近傍のECMではインヒビター(sAPP)が除去され、ゼラチナーゼAによる分解を受け易くなることが予想された。こうしたプロテアーゼの活性調節機構は移動しつつある細胞が部位特異的にECM分解を行う上で非常に重要であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shouichi Higashi: "Identification of a region of β-amyloid precursor protein essential for its gelatinase A inhibitory activity"The Journal of Biological Chemistry. 278(発表予定). (2003)
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[Publications] Shouichi Higashi: "A novel processing of β-amyloid precursor protein catalyzed by membrane type 1-matrix metalloproteinase releases a fragment lacking the inhibitor domain against gelatinase A"Biochemistry. 42(発表予定). (2003)