2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
杉本 敬祐 旭川工業高等専門学校, 講師 (60331956)
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Keywords | 二原子酸素添加酵素 / 蛋白質工学 / X線結晶学 |
Research Abstract |
本研究は、高温菌由来のExtradiol型芳香環開裂二原子酸素添加酵素であるPheB酵素の高精度の立体構造をX線結晶構造解析の手法により明らかにし、すでに得られている酵素活性データ、基質特異性の異なるBphC酵素の立体構造と組み合わせて総合的に解析することで、基質特異性の起源と反応機構を立体構造に基づいて明らかにすることである。 (1)本年度は、良質な結晶を得るために、ゲルを用いたPheB酵素の結晶化を試みた。現在、いくつかの結晶を得ており、X線回折による測定により分解能の向上を確認したい。今後、更に結晶化条件を最適化し、良質な結晶が得られる条件も探索していく。 (2)基質特異性の起源を明らかにするために、コンピューターグラフィックスを用いたPheB酵素とBphC酵素の立体構造比較、及び他の基質特異性を有する酵素の酵素活性データとアミノ酸配列等を総合的に検討した。その結果、PheB酵素が有する高catechol分解能力に関わるアミノ酸を推定し、その変異体酵素を作成した。これらアミノ酸の一つは299番のフェニルアラニンで、catecholとの反応性が高いPheB酵素などが属するグループでは完全に保存しているものである。PheB酵素の立体構造上、この299番のフェニルアラニンは、基質ポケットとcatecholとの相補性に深く関わっているアミノ酸と考えられる。一方、catecholとの反応性が低いBphC酵素では、このフェニルアラニンは保存していない。現在、このフェニルアラニンをアラニンに置換した変異体PheB酵素を精製し、結晶化を行っている。また、この変異体酵素の酵素活性データも測定し解析中である。
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