2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
北爪 しのぶ 理化学研究所, 糖鎖機能研究チーム, フロンティア研究員 (80301753)
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Keywords | ST6Gal I / セクレターゼ / BACE1 / アルツハイマー |
Research Abstract |
可溶型糖転移酵素の形成機構自体が未解明である現段階においては、種々の細胞において通常ST6Gal Iの分泌に関与するプロテアーゼ(セクレターゼ)に関する知見を得る必要性があった。平成13年度は、このプロテアーゼが、アルツハイマー病の病理現象を密接な関わりを持つアミロイドベータペプチドの形成を促すBACE1であることをin vivoおよびin vitroの実験系で明らかにした(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(2001)94,3650-3655)。 まず第一に、COS細胞にST6Gal Iのプロテアーゼによる切断部位のアミノ酸残基を改変した各種変異体タンパク質を発現させ、分泌量を調べた。その結果、ST6Gal Iセクレターゼ活性は、切断部位周辺のアミノ酸残基を認識する性質を有することが分かった。また、ST6Gal Iセクレターゼ活性は細胞内のゴルジ装置で作用することが分かっている。そこで、ゴルジ装置局在であり基質特異性が類似しているBACE1を候補と考えた。BACE1をCOS細胞に大量発現させると、ST6Gal Iの分泌量は3倍程度増加し、その切断部位も内在性のセクレターゼ活性と同様であることが明らかとなった。また、COS細胞にBACE1の基質であることが知られているアミロイドベータ前駆体タンパク質(APP)を大量発現させたところ、ST6Gal Iの分泌量が減少したことから、細胞内でBACE1によるAPPの切断とST6Gal Iの切断の競合が起きたことが考えられた。次に、精製した組み替えBACE-Fcキメラタンパク質が、精製したprotein A-ST6Gal Iタンパク質をin vitroで切断したことから、直接BACE1がST6Gal Iを切断することが出来ることが判明した。以上の結果から、BACE1がST6Gal Iの切断・分泌に関与するプロテアーゼであることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Kitazume, Tachida Y., Oka R., Shirotani K., Saido T.C., Hashimoto, Y: "Alzheimer's β-secretase, β-site amyloid precursor protein-cleaving enzyme, is responsible for cleavage secretion of a Golgi-resident sialyltransferase"Proc. Natl. Acad Sci. USA.. 94. 3650-3655 (2001)
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[Publications] S.Kitazume-Kawaguchi, Kabata S., Arita M.: "Differential Biosynthesis of Polysialic or Disialic Acid Structure by ST8Sia II and ST8Sia IV"J. Biol. Chem. 276. 15696-15703 (2001)