2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780560
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
赤松 謙子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (30322746)
|
Keywords | RAG1 / RAG2 / Double Strand Breaks / V(D)J組み換え / in vitro translation / PROTEIOS |
Research Abstract |
本研究では活性制御領域を含む全長のRAG2を精製し、C末部位によるV(D)J組み換え制御の分子機構を解明するごとを目的としている。平成13年度はまず、改良型無細胞タンパク質合成法を用いて全長のRAG2の精製を試みた。本方法はタンパク質合成阻害因子の混入が少ない小麦胚芽抽出液を用いており、さらに重層法を用いることで従来のバッチ法に比べ5〜10倍の合成効率でタンパク質合成を行うことが可能とされている(PROTEIOS)。成功すれば簡単に高収量が得られると予想され(一回の反応で最大20μg)、様々な点変異体の解析への応用も期待できるため本方法を採用した。まず、タバコモザイクウイルス由来翻訳増強配列(Ω配列)を有するpEU系ベクターに全長RAG2遺伝子をN末にHis x6タグ、C末にmycタグをつけた形でサブクローニングした。次にT7 RNAポリメラーゼを用いてmRNAを合成し、重層法にて翻訳反応を行い、翻訳物はNi-NTAカラムで精製した。様々な改良・試行錯誤の結果、最終的に約1μg程度の精製RAG2タンパク質を得ることに成功した。Hela細胞より精製したC末を欠くRAG2は1反応あたり1ngでも十分にDNA結合活性・切断活性を有するので、機能解析には十分量を精製することに成功したといえる。しかし、これを用いてDNA結合活性・切断活性を測定した結果、両活性とも有さないことが判明した。タンパク質は可溶性であるので、おそらく翻訳後修飾、特にリン酸化状態の問題ではないかと考えられる。そこで、現在2つのアプローチをとっている。一つは、活性のないRAG2をカゼインキナーゼIIで活性化させることができるかどうかを問うこと、もう一つは系を変更して違うアプローチをとることである。後者に関してはPichia pastorisを使った系を採用し、現在、発現ベクターへのサブクローニングを行っているところである。
|