2001 Fiscal Year Annual Research Report
CTDホスファターゼFCP1によるRNAポリメラーゼIIの制御機構の解析
Project/Area Number |
13780563
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
木村 誠 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (00290891)
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Keywords | 転写因子 / RNAポリメラーゼ / ホスファターゼ / エピトープタグ / リン酸化 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
RNAポリメラーゼII(pol II)第3サブユニット遺伝子にエピトープ・タグ配列が挿入された分裂酵母株から、タグ特異的抗体を利用して分離したpol II、基本転写因子TFIIF、pol II第1サブユニット(Rpb1)C末端ドメイン(CTD)特異的ホスファターゼFcp1の複合体について以下の解析を行った。 1.遺伝子組換えにより作製した分裂酵母Fcp1蛋白質は実際に試験管内でCTDホスファターゼ活性を示した。2.酵母4分子解析の結果、fcp1遺伝子は必須遺伝子であった。3.分離されたFcp1/TFIF/pol II複合体の架橋剤処理により、Fcp1はpol IIの第4サブユニット(Rpb4)に結合する可能性が示され、これは組換え蛋白質の結合実験により確認された。4.チアミン添加によりrpb4遺伝子の発現制御が可能な酵母株を作製し、rpb4の発現を停止した酵母細胞から上記のタグを利用してFcp1/TFIIF/Pol II複合体を単離すると、複合体中にはFcp1が存在せず、複合体中のpol IICTDはリン酸化型であった。5.細胞内でRNA合成途中にあったpol IIを多く含む細胞抽出液面分から同様の方法で分離したpol IIにもFcp1が結合していた。 以上により、転写終了後のpol IIはFcp1/TFIIF/pol II複合体を構成し、ここで次の転写開始のためのCTDの脱リン酸化を受けること、この複合体構成に際し、転写開始に関与するRpb4がFcp1をpol IIに結合させる機能をもつことが明らかとなった。また、Fcp1はRNA伸長反応の制御に関わるCTDの脱リン酸化にも関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)