2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラッフル膜形成に関わるWAVEの機能制御機構の解析
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13780568
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三木 裕明 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80302602)
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Keywords | WAVE / IRSp53 / Rac / WASP / Arp2 / 3複合体 / N1E-115 |
Research Abstract |
私はWAVEに結合する蛋白としてIRSp53を同定した。IRSp53にはC末部にSH3ドメインが一つあり、その部分でWAVEに結合することを見付けた。またN末の部分では活性化したRacに結合し、Rac/IRSp53/VAVEの蛋白複合体を作ることを見付けた。しかし、全長のIRSp53のみをRacと混合しただけではRacとの結合は非常に弱く、IRSp53のRacへの結合性は何らかのメカニズムで制御されている可能性が出てきた。実際、IRSp53を短く分割したコンストラクトを作製すると、N末の部分でのRacへの結合性は全長の場合と比較して顕著に強いことが分かった。興味深いことに全長のIRSp53にWAVEを結合させた状態でRacとの結合性を調べると、IRSp53単独の状態と比較してRacへの結合性が増強されていた。IRSp53はRacに結合する部分を含むN末部が折り畳まれた分子内結合をしていることが他グループから報告されているが、私はWAVEの蛋白を加えることによってその分子内結合を解除できることを示し、IRSp53はWAVEと複合体を作ることによってRacへの結合性が制御されていることを突き止めた。また、IRSp53を神経系の培養細胞株であるN1E-115細胞に強制発現すると、細胞の基質への結合性が増して細胞が平坦化することも見付けた。一部の細胞では神経突起形成も起こっていた。WAVEに結合するSH3ドメインを欠失させた変異体型1RSp53にはこのような作用はなく、この細胞形態変化においてIRSp53/VAVEが重要な働きをしている可能性が示唆された。WAVEはWASPファミリーの一員であり、そのファミリー共通の機能としてArp2/3複合体を活性化することによるアクチン重合の誘導がある。そこで、Arp2/3複合体の機能を阻害するため、WASPファミリー中で最も強いArp2/3複合体結合能を持つN-WASPのCAドメイン(Arp2/3複合体結合ドメイン)を発現したところ、IRSp53によって誘導される細胞形態変化は阻害された。つまりIRSp53による細胞形態変化には、そのSH3ドメイン結合蛋白であるWAVEを介したArp2/3複合体活性化が重要であることを支持するデータが得られた。しかしながらCAドメインによる阻害効果は完全ではなく部分的であり、しかもIRSp53のSH3ドメインにはWAVE以外のいくつかの結合蛋白が知られていることから、IRSp53にはWAVE以外の標的蛋白が存在するらしいことも示唆された
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fukuoka M, Suetsugu S, Miki H, Fukami K, Endo T, Takenawa T: "A novel neural Wiskott-Aldrich syndrome protein (N-WASP) binding protein, WISH, induces Arp2/3 complex activation independent of Cdc42"Journal of Cell Biology. 152. 471-482 (2001)
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[Publications] Nakagawa H, Miki H, Ito M, Ohashi K, Takenawa T, Miyamoto S: "N-WASP, WAVE and Mena play different roles in the organization of actin cytoskeleton in lamellipodia"Journal of Cell Science. 114. 1555-1565 (2001)
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[Publications] Takenawa T, Miki H: "WASP and WAVE family proteins: key molecules for rapid rearrangement of cortical actin filaments and cell movement"Journal of Cell Science. 114. 1801-1809 (2001)
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[Publications] Martinez-Quiles N, et al.: "WIP regulates N-WASP-mediated actin polymerization and filopodium formation"Nature Cell Biology. 3. 484-491 (2001)
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[Publications] Suetsugu S, Miki H, Takenawa T: "Identification of another actin-related protein (Arp) 2/3 complex binding site in neural Wiskott-Aldrich syndrome protein (N-WASP) that complements…"Journal of Biological Chemistry. 276. 33175-33180 (2001)
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[Publications] Shcherbina A, Mild H, Kenny DM, Rosen FS. Takenawa T: "WASP and N-WASP in human platelets differ in sensitivity to protease calpain"Blood. 98. 2988-2991 (2001)