2001 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム結合蛋白質ALG-2を介するアポトーシス制御機構の研究
Project/Area Number |
13780569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 秀樹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30314470)
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Keywords | カルシウム結合蛋白質 / アポトーシス / 細胞内シグナル伝達 / 細胞生物学 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究は、細胞内Ca^<2+>センサーとしてのALG-2(apoptosis linked-gene2)の作用点を明らかにすることで、Ca^<2+>濃度上昇を誘因とするアポトーシスの細胞内シグナル伝達機構を解明することを目的としている。研究計画に沿い、ALG-2をbaitとした酵母Two-Hybrid法を用いた結合因子の探索をおこない、報告されているpeflin、Alix/AIP1を含めた複数の候補因子を同定した。それらの中で、エンドネキシン型Ca^<2+>結合蛋白質であるAnnexin XIとALG-2がCa^<2+>依存的に結合することを示し、報告した。変異体を用いた解析から、Ca^<2+>要求性はALG-2が担っており、ALG-2はAnnexin XIのアミノ末端領域と結合することを見出した。 peflinとALG-2は5つのEF-handを持つPEFファミリーCa^<2+>結合蛋白質であるが、我々はALG-2とpeflinがCa^<2+>非存在下で相互作用していることを報告している。本年度は、ALG-2とpeflinの相互作用はそれぞれの5番目のEF-handを必要とし、peflinの安定した発現にはALG-2が必要であることを示し、報告した。ALG-2の発現を抑制した細胞はアポトーシス刺激に耐性となることが示されているが、これらの細胞ではpeflinの発現も抑制されていることが予想され、peflinがアポトーシスのシグナル伝達に関与している可能性が考えられる。 さらに、Alix/AIPIをbaitとした酵母Two-Hybrid法による結合因子の探索をすすめている。また、Alix/AIP1を認識する抗体を得ることに成功し、Alix/AIP1の細胞内局在について検討をすすめており、ALG-2とAlix/AIP1を介するシグナル伝達機構の解明の一助になるものと期待している。
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[Publications] Hirokazu Satouh et al.: "ALG-2 Interacts with the Amino-terminal Domain of Annexin Xl in a Ca^(2+)-Dependent Manner"Biochemical and Biophysical Research Communications. (印刷中).
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[Publications] Yasuyuki Kitaura et al.: "Both ALG-2 and Pefin, Penta-EF-Hand (PEF) Proteins, Are Stabilized by Dimerization through their"Archives of Biochemistry and Biophysics. (印刷中).