2001 Fiscal Year Annual Research Report
RhoファミリーG蛋白質を介した細胞機能及びその作用機構の解析
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13780571
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 裕教 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (50303847)
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Keywords | Rho / アクチン骨格 / 神経突起 |
Research Abstract |
アクチン細胞骨格は細胞の形態や接着、運動など、様々な細胞機能を担っており、そのアクチン細胞骨格の制御において、Rhoファミリー低分子量G蛋白質が重要な役割を果たしている。申請者は今年度において、1)神経細胞による神経突起形成過程におけるRac1及びRhoAの役割とそれらのクロストークについて、2)新規RhoファミリーG蛋白質Rndと特異的に結合する蛋白質のクローニング及びそのアクチン細胞骨格の制御への関与について明らかにした。 1)神経細胞のモデルとして多用されているPC12細胞の神経成長因子(NGF)による神経突起形成過程において、NGFはRac1をPI3キナーゼ依存的に速やかに活性化し、細胞膜の突起形成部位に活性化されたRaclを集積させ、そこで局所的なアクチン重合を起こし、よって神経突起が形成されることを見いだした。一方、NGFはRac1を活性化すると同時にRhoAの活性を抑制すること、またRhoAを活性化状態に保っておくとNGFによるRac1の活性化とそれに伴う神経突起の形成が抑制されることが明らかとなった。このように、Rac1とRhoAの活性化のバランスが神経突起の形成に重要であることが見いだされた。 2)新規RhoファミリーG蛋白質Rndは、繊維芽細胞におけるストレスファイバーの消失や細胞体の退縮など、RhoAの機能を抑制するような作用が見られるが、そのメカニズムに関しては何もわかっていない。そこで申請者はtwo-hybrid法を用いてRndと特異的に結合する蛋白質の探索を行い、全長485アミノ酸からなる新規蛋白質をクローニングし、Sociusと名付けた。SociusはそのC末端側でRndと直接結合し、他のRhoファミリーG蛋白質とは結合しなかった。また細胞質に存在するSociusは、Rnd依存的に細胞膜へ運ばれ、ストレスファイバーの消失を引き起こすことも見いだした。以上のことから、SociusはRndによるアクチン骨格の制御に関与する分子の1つであることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Katoh, H., Harada, A., Mori, K., Negishi, M.: "Socius is a novel Rnd GTPases-interacting protein involved in disassembly of actin stress fibers"Molecular and Cellular Biology. 22・9(in press). (2002)
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[Publications] Yamaguchi, Y., Katoh, H., Yasui, H., Mori, K., Negishi, M.: "RhoA inhibits the nerve growth factor-induced Rac1 activation through Rho-associated kinase-dependent pathway"The Journal of Biological Chemistry. 276・22. 18977-18983 (2001)
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[Publications] Yasui, H., Katoh, H., Yamaguchi, Y., Aoki, J., Fujita, H., Mori, K., Negishi, M.: "Differential responses to NGF and EGF in neurite outgrowth of PC12 cells are determined by Rac1 activation systems"276・18. 15298-15305 (2001)
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[Publications] Nakamura, K., Li, Y.-Q., Kaneko, T., Katoh, H., Negishi, M.: "Prostaglandin EP3 receptor protein in serotonin and catecholamine cell groups : a double immunofluorescence study in the rat brain"Neuroscience. 103・3. 763-775 (2001)