2002 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子Mesplを指標としたマウス心筋・血管内皮前駆細胞の単離と分化の解析
Project/Area Number |
13780596
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
北嶋 聡 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部・第4室, 主任研究官 (30270622)
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Keywords | 細胞分化 / Mesp1 / 細胞系譜解析 / GFP蛍光 / 心臓・血管 / 循環器 / Cre-loxPシステム / 胚性幹細胞 |
Research Abstract |
本研究の主たる目的は、心筋.血管内皮の前駆細胞を未分化な状態で単離培養し、両細胞系列の分化制御を明らかにすることにある。これは同時に、組織再生への応用へつながる基礎研究として大きく貢献するものと位置付け出来る。 平成13年度は、実験1として、「マウス原腸陥入期を中心としたMesp1発現細胞の単離」を試みた。このために、Mesp1遺伝子座にCreリコンビナーゼ(Cre)を導入した作成済みのマウス(P1-creマウス)と所有するGFP蛍光標識用のリポーターマウスとを交配させ、胎生6.5-7.5日目のマウス胚を用い、その結果、胚由来単離細胞をGFP蛍光により選別.凍結することができた。なお、この手法とは別に、実験2として、「分化とともにMesp1発現細胞を持続的に蛍光標識できる胚性幹細胞(ES細胞)の樹立」を試みた。その結果、Mesp1遺伝子座にCreを導入したEs細胞に、GFP蛍光標識用のリポーター遺伝子を導入したstableなcell line(P1Cre-GFP)を作製することができた。 平成14年度は、得られた単離細胞あるいはES細胞を用いて、実験3として、「単離された未分化Mesp1発現細胞の分化実験」を試みた。得られた単離細胞ではその増殖・生育が不良で解析が困難となった。得られたES細胞cell line(P1Cre-GFP)では、分化実験は成功したが、継代とともに細胞集団部分的にGFPの発現が抑制され予備的な解析に留まった。この結果は、ES細胞では継代とともに導入遺伝子の発現を積極的に抑制する機構が存在する可能性を示唆しており、この困難さを克服するには、すでに存在する遺伝子導入マウス、つまり導入遺伝子が個体レベルで安定して発現しているマウス由来の胚盤胞から直接ES細胞を樹立するという手法が有用であることが示唆された。
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