2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラットOlg遺伝子を利用した、より幼若なグリア前駆細胞の探索
Project/Area Number |
13780602
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北田 容章 京都大学, 医学研究科, 助手 (80324614)
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Keywords | グリア前駆細胞 / Olig-1 / in situハイブリダイゼーション / 免疫組織化学法 / 免疫電顕法 |
Research Abstract |
この研究は、成ラット脊髄に存在する様々な前駆細胞を可視化することを目的としており、2001年度では以下のことについて扱った。1.olg遺伝子:現在oligと改名されolig-1,2,3の3分子がクローニングされている。今回はolig-1遺伝子に関しcRNAプローブを作成し、in situハイブリダイゼーションを行った。シグナルはオリゴデンドロサイトと考えられる細胞に陽性であった。現在in situハイブリダイゼーション法と免疫組織化学法を組み合わせ、既存の分子マーカーとの関連性を検討中である。2.ミェリン関連糖蛋白質(MAG)分子:MAGはオリゴデンドロサイト系細胞のみに陽性である分子で、現在までにL, S, fetal typeの3種が知られている。今回L, Sの共通領域を抗原として作成した抗MAG抗体を用い、成ラット脊髄での免疫組織化学染色を行ったところ、多くの細胞が抗S-100抗体との二重染色を受けた。脊髄白質ではS-100を持つ細胞はアストロサイトあるいはその前駆細胞のみに陽性となると考えられており、MAGとの二重染色を受ける細胞がどの様な細胞であるかについて更に詳細な検討を行うため、現在二重免疫電顕法を用いて観察を行っている。3.中心管周囲上衣細胞:脊髄にも上衣細胞は存在するが、分化能という意味でのその機能はあまり知られていない。BrdUを用いた分裂能の検討により、上衣細胞は脊髄の他の白質・灰白質領域と比べ、かなりの分裂能を有している事を確認している。こうした分裂能を持つ上衣細胞が脊髄において実際にグリア細胞を産生しているかどうかを検討するため、上衣細胞の標識法と標識上衣細胞の動態について研究をすすめている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masaaki Kitada: "Differentiation of choroid plexus ependymal cells into astrocytes after grafting into the pre-lesioned spinal cord in mice"GLIA. 36(3). 364-374 (2001)
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[Publications] 北田 容章: "培養脈絡叢上衣細胞の移植と分化"CLINICAL NEUROSCIENCE. 20(1). 31-33 (2002)