2001 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経節前細胞におけるchemical codingの発生パターンの解析
Project/Area Number |
13780605
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
船越 健悟 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (60291572)
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Keywords | 自律神経系 / 神経発生学 / ケミカル・コーディング |
Research Abstract |
平成13年度は、18日胚(E18)から生後5日(P5)までのマウス交換節前細胞に対する神経支配の発達過程を神経活性物質に対する抗体を用いた免疫組織化学によって調べた。交感節前細胞のマーカーとしてはコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)と、一酸化窒素合成酵素(NOS)を用い、サブスタンスP(SP)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、セロトニンに陽性を示す入力線維の発達を蛍光多重染色によって明らかにした。これまでにCGRP陽性線維の交感神経節前細胞に対する神経支配の発達については報告がなく、新しい知見が得られた。つまり、(1)CGRP陽性線維はE18にはすでに腰髄レベルの中間質外側核に到達しており、一部が節前細胞と接触をもっていた。(2)また、これらの多くは、E21までにはSPを共存し、このレベルの節前細胞を密にとりまくようになった。これに対し、上位胸髄のレベルの中間質外側核の交感節前細胞には、P5までの間にCGRP陽性線維の入力は見られなかった。胸髄レベルの中間質外側核には、E18にSP陽性線維の分布が認められたが、これらの大部分は節前細胞の細胞体には接触しておらず、CGRPやセロトニンとの共存も認められなかった。したがって、CGRP・SP線維の交感節前細胞への入力は、少なくともE21までに確立されるが、これは腰髄レベルの中間質外側核にほとんど限局しているようである。 一方E18には、胸髄から腰髄にかけて中心管背側の領域に存在する節前細胞の一部にもCGRP陽性線維との接触が確認されたが、これらはSPを共存していなかった。CGRP陽性線維がNOSを含む節前細胞に対して選択的な支配をもっているのかどうかについては検討を続けている。
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