2002 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄小脳失調症6型脳内で凝集する新規蛋白分子の同定と細胞変性機序の解明
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13780612
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石川 欽也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (30313240)
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Keywords | 脊髄小脳失調症6型 / 脊髄小脳変性症 / 神経変性疾患 / カルシウムチャネル / 神経科学 |
Research Abstract |
本研究では、脊髄小脳失調症6型(SCA6)の患者脳内で凝集する蛋白分子を同定することが目的である。研究代表者らはこれまでに、患者脳内で最も強く変性する小脳Purkinje細胞に限って、2種類の異なる凝集体が形成されることを明らかにしてきた。1種類は原因蛋白であるα1A-カルシウムチャネル蛋白であるが、もう1種類は異常伸長ポリグルタミン鎖を認識する抗体で検出されるポリグルタミン封入体で、その蛋白が何に由来するかは不明であった。このため、本研究ではこの蛋白分子の同定を試みた。 最初two-hybrid法でポリグルタミンを有するカルシウムチャネル蛋白とinteractする蛋白分子の同定を試みたが、two-hybridに適したベクターを構築する段階で休止した。一方、同時に進めていたヒトカルシウムチャネル蛋白に対する新しいポリクローナル抗体作製の試みでは、3種類の抗体作製を計画し、このうち1種類で実際に新しい抗体を作製することが早期に出来た。培養細胞でのrecombinant蛋白の発現を確認し、抗体の特異性を確認した。これまでにヒト対照脳およびSCA6患者脳でウエスタン・ブロットを行い、SCA6患者脳では変異蛋白の量が減少していないことを報告した。さらに、患者Purkinje細胞に新しい抗体でも凝集体を確認した。その形態や細胞内の分布様式はポリグルタミン封入体とかなり類似しており、一部はこれまでに報告してきたカルシウムチャネル封入体とも共通していた。以上の結果より、当初同定する目的であった新規蛋白分子は、チャネル蛋白から断片化された蛋白である可能性が高いことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kubodera T., Yokota T., Owada K., Ishikawa K., et al.: "Proteolytic cleavage and cellular toxicity of the human aplha1A-calcium channel In spinocerebellar ataxia type 6"Neuroscience Letter. (in press). (2003)