2002 Fiscal Year Annual Research Report
診断支援のための胸部X線CT像観察ツールとその腫瘤の良悪性鑑別への利用
Project/Area Number |
13780678
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平野 靖 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 助手 (90324459)
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Keywords | 良悪性鑑別 / 肺腫瘤 / 所見の定量化 / 胸部X線CT像 / 計算機診断支援 / 観察ツール / 医用画像処理 / 3次元濃淡画像処理 |
Research Abstract |
本年度は,胸部X線CT像に対する肺腫瘤の良悪性鑑別のための特徴量の開発,階層的な分類法の開発,および特徴量開発のための基礎的検討を行った.これらは良悪性鑑別のための診断支援ツールの基盤となる.概要を以下に示す. (1)肺血管(動脈,および静脈)を生成元として3次元拡張ボロノイ分割を行なった.腫瘤周辺,および肺野全体での生成されたボロノイ領域の平均体積の比を求めたところ,集束(悪性腫瘤に見られることが多い所見)の有無に関して有意な差があることを確認した.また,最近傍則による認識実験の結果,認識率は69%であった. (2)従来の肺腫瘤に対する計算機支援診断では,腫瘤を良性,あるいは悪性のいずれかのカテゴリに分類することを目的とするものが多かった.しかし,良性・悪性ともに多様な種類が存在するため,かならずしも高い認識率は得られなかった.一方,医師はある種の良性腫瘤を画像所見のみから良性であると判断できる.そこで,このような良性腫瘤を計算機によって認識することにより,良悪性鑑別の認識率の向上を図った.6個の特徴量を用いて判別実験を行なったところ,認識率は78%であった. (3)特徴量開発のための基礎的検討として,肺動脈を生成元としたときの拡張ボロノイ領域を求めた.その結果,ボロノイ領域の境界が葉間胸膜,および肺静脈と密接な関係を有することが明らかとなった.この結果は特徴量開発のほか,葉間胸膜の抽出などの肺内構造物の解析にも利用できる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yasushi Hirano: "Computer classification of lung tumors form chest CT images according to the types of tissue using 3D extended Voronoi diagram"Proceedings of Computer Assisted Radiology and Surgery. 729-732 (2002)
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[Publications] Yasushi Hirano: "Quantification of shrinkage of lung lobe from chest CT images using the 3D extended Voronoi division and its application to the benign/malignant discrimination of tumor shadow"Proceedings of 16th International Conf. on Pattern Recognition. I-751-I-754 (2002)
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[Publications] Yasushi Hirano: "Quantification of the spatial distribution of line segments with applications to CAD of chest X-ray CT images"Lecture note on Dugstuhl workshop on theoretical foundation of computer vision. (印刷中).
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[Publications] 平野靖: "3次元拡張ボロノイ分割を用いた肺動脈と葉間胸膜の関係の解析"電子情報通信学会技術研究報告(MI). MI2002-103. 43-47 (2003)
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[Publications] 宮下和人: "胸部X線CT像を用いた炎症性小結節の認識の一手法"画像電子学会第200回研究会資料. (印刷中). (2003)