2002 Fiscal Year Annual Research Report
超音波変調光を用いた生体内機能情報の計測に関する基礎研究
Project/Area Number |
13780690
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
北間 正崇 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (50285516)
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Keywords | 光イメージング / 超音波計測 / スペックル / 散乱 / 回折 / 屈折 / 無侵襲計測 / 生体計測 |
Research Abstract |
生体内の機能情報を反映する光イメージングはその有用性を指摘されながらも、未だ実用には至っていない。これは生体組織の光散乱により空間分解能が低下することに起因する。この問題に対し本研究は、生体内に入射された光のうち関心領域を通過した光にのみ超音波変調を加え、変調成分を分離・検出することで高い空間分解能を有するイメージング法の確立を目的としている。特に後方散乱光に本手法を適用することで、光が透過しないような厚い部位のイメージングも考えられ、実用性が高まるものと思われる。以下に得られた知見を述べる。 1.シミュレーションに基づく後方散乱変調光の解析 モンテカルロ法に基づき生体内光伝播を模擬したシミュレーションを行い、超音波変調を加えた後方散乱光の伝搬特性を評価した。結果、散乱体内吸光物体の1次元イメージングおよび2次元イメージングにおいて、吸光物体のコントラスト、形状識別ともに変調を行わない場合よりも向上が見られた。しかし光の入射および検出部の配置によっては、実際の吸光物体の存在位置よりも深部に像が現れる傾向が示された。これは、吸光物体の大きさや存在深さとも関係することから、実用化に当たっては、十分な検討を要するものと考える。 2.生体模擬試料のイメージング シミュレーションの結果および昨年度の研究結果から、実測による可能性が示されたために、生体を模擬した散乱体試料内の吸光物体に本手法を適用しイメージングを試みた。結果、超音波変調を行わないイメージング法に比べ空間分解能の向上が示された。また生体の筋組織とほぼ同等の吸収体(散乱係数μ_s'=0.5mm<-1>)において、深さ7mm程度の範囲で腫瘍組織等の光学的検査が可能となることが明らかになった。 以上、本研究の結果は後方散乱光に超音波変調を加える手法について、その実用性の高さと有効性を示唆したものと考える。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 岡本康志: "空間・時間分解手法による散乱体内吸光度イメージングの試み"第17回生体・生理工学シンポジウム論文集. 329-332 (2002)
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[Publications] Nobuki KUDO: "Basic studies on optical imaging of biological tissues using speckle patterns of ultrasound-modulated light"Proceedings of Biomedical Optics and Photomedicine 2002. 234-235 (2002)
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[Publications] Koichi SHIMIZU: "Use of near-axis scattered light in optical CT imaging"Proceedings of Biomedical Optics and Photomedicine 2002. 90-91 (2002)
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[Publications] 岡本康志: "空間・時間的手法による散乱体内吸光情報イメージングの基礎的検討"電子情報通信学会技術研究報告. MBE2002-68, vol.102, no.481. 17-20 (2002)
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[Publications] 岡本康志: "空間・時間的手法による散乱体内吸光情報の取得(II) -CT像における吸収係数推定の試み-"医用電子と生体工学. vol.40 suppl., 121-05. 56 (2002)
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[Publications] 中村和明: "超音波変調光による生体の光イメージングに関する基礎的検討(VI) -後方散乱光による光イメージング-"医用電子と生体工学. vol.40 suppl., 122-02. 57 (2002)
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[Publications] 岡本康志: "空間・時間的手法を用いた散乱体内吸光情報の取得(III) -筒状吸光物体のCTイメージング-"電気関係学会北海道支部連合大会講演論文集. 334 (2002)
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[Publications] 松倉匡克: "ソノルミネセンスを用いた溶液濃度計測法の検討"電気関係学会北海道支部連合大会講演論文集. 340 (2002)
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[Publications] 岡本康志: "空間・時間的手法を用いた生体内吸光情報イメージングに関する基礎的研究"北海道工業大学研究紀要. 第31号. 81-86 (2003)