2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780699
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
高橋 幸雄 独立行政法人産業医学総合研究所, 人間工学特性研究部, 研究員 (40312300)
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Keywords | 低周波音 / 複合音 / 人体 / 体表面 / 振動 / 機械的特性 |
Research Abstract |
幾つかの周波数成分を含む複合低周波音をできるだけ原音に忠実に再生するために、既存の低周波音実験室の音響特性の改善を図った。リアルタイム・コンボルーバの導入により、特定の位置において、100Hz以下の帯域でほぼ平坦な周波数特性が得ることができた。しかし、実験室内に一様な音場を再生するには至らなかった。 複合低周波音曝露によって誘起される体表面振動について、予備的な測定を実施した。曝露音には8種類の低周波音(31.5Hzと50Hzの純音、それらの複合音、そして低周波域(主成分は100Hz以下)のホワイト・ノイズ)を用いた。健康な成人男性(全員が20歳代)を被験者として、頭部(額)、左右の胸部、左右の腹部の計5点で測定した。実験室内に再生される音場が非一様であることから、測定は部位ごとに行った。その結果、胸部においては、曝露音の各周波数成分に対応する体表面振動がほぼ独立に、また、各周波数成分の音圧レベルに対して線型な関係を保って誘起されることを示す結果が得られた。腹部においては独立性は認められたものの、体表面に固有の振動成分が比較的大きいことから、はっきりした線型性は確認できなかった。頭部においては逆に、線型性は認められたが、独立性に関して不明確な点が残された。これらの結果は周波数や音圧レベルの範囲が狭いという限られた条件下で得られたものであるが、高レベルの低周波音という外部からの振動刺激に対し、人体が機械的に線型なシステムとして応答している可能性を示唆するものである。しかし、結論を得るためには、実験条件を拡張しての測定が必要である。 本年度に得られた結果の一部は、日本騒音制御工学会平成14年度春季研究発表会(2002/04/23開催予定)で発表予定である。
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