2001 Fiscal Year Annual Research Report
形態形成と情報生成の力学系の組み合わせモデルによる学習と発達のダイナミクスの研究
Project/Area Number |
13831003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池上 高志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10211715)
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Keywords | 進化 / 遺伝 / ゲーム / 発生 / カオス / 動的認識システム |
Research Abstract |
力学系モデルによる認知や学習のモデルの特徴は、出現される行動の構造が、あらかじめエージェントに搭載したモジュールだけで決まるのではなくて、エージェント同志の相互作用で初めて決まってくる点にある。そのような視点から、言語的相互作用と平面内の追いかけっこのモデルを提唱、議論した。それらのモデルでは学習や予測が不安定になるということが結果として、会話の移り変わりや役割の時間的変遷を与えることを示している。しかし会話の内容の変遷や、言語の規則について何かいうには、より認知現象を考慮したモデルが必要となり、H14年度に持ち越される。新しいモデルの基礎となる考えは、言語と認知の新しい見方を中心にことばの認知科学辞典に20ページほど発表した。またBehavior Brain Scienceと赤ちゃん学会会誌にcommentary paperを発表した。 次に情報の起源、特に組合せ的な情報が、連続な状態変数を持つある種の力学系にどのように見出すことができるか、という問題を考察、議論した。アトラクターを構成する多自由度のうち、ある一群の自由度がその値が小さいにも関わらず、アトラクターの安定性を決めている例を構成した。アトラクターの壊れ方と壊れたあとの行く先は組合せ(どの自由度を残し、どの自由度を消すか)的に決められることがわかった。これらはj. Bio .Phys.に掲載。 他にはゲームの新しいモデル化や、チューリングマシンがある決定不能問題に関して示す時空間パターンの考察、化学的自己複製の起源などの考察を行なった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] E.Nameda, T.OHhira, T.Ikegami: "Dynamical Systems Approach to the Busy Beaver Problem"the preceed : ags of Computational Physics. (in press). (2002)
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[Publications] T.Ikegami, J.Tani: "Chaotic Itinerancy Needs Embodied Cobuilion to Explain Memory Dynamics(commentary to I.Tsuda's paper)"Behavior Brain Sciences. (in press). (2002)
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[Publications] T.Ikegami, K.Hashimoto: "Dynamical Systems Approach to Higher-level Heritability"J. Bio. Phys.. (in press). (2002)
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[Publications] G.masumoto, T.Ikegami: "The Lambda game System-Anapproach to a meta game-"Advances in Artificial LNAI. 2159. 695-699 (2001)
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[Publications] N.ono, T.ikegami: "Artificial Chemistry : Computational Studies on the Eniergence of Self-Reproducing Units"Advances in Artificial LNAI. 2159. 186-195 (2001)
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[Publications] K.Hashimoto, T.Ikegami: "Emergence of a New Attracting Set by a Mixed Strategy in Game Dynamics"J. Phys. Soc. Japan. 70・11. 3221-3224 (2001)
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[Publications] 池上高志: "言語と認知の相互作用様式-複雑系的視点から ことばの認知科学事典(辻幸夫編)収録"大修館書店. 561 (2001)