2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13839007
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
服田 昌之 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (00249947)
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Keywords | サンゴ / 変態 / 神経ペプチド |
Research Abstract |
ミドリイシ属サンゴの幼生の変態を誘導できるペプチドが、他属のサンゴにおいても効果を有するかどうかを調べたところ、近縁な属であっても変態誘導効果は全く見られず、内在性の変態誘導ペプチドの構造が属ごとに大きく異なることが推測された。いっぽうカイウミヒドラにおいて変態阻害効果を有するRFamideペプチドは、ミドリイシサンゴにおいても変態を阻害できることが判明した。しかもC末端のGRFamide構造以外の部分のアミノ酸配列が異なるペプチドでも効果が見られたことから、変態誘導ペプチドの場合とは対照的に、変態阻害ペプチドの受容体による構造認識は厳密ではないことが示唆された。さらに、ミドリイシサンゴにおける変態阻害効果は一過性であり、数時間で感受性が消失することも分かった。また、RFamideペプチドの添加によって幼生は繊毛運動を止め、形態が長く変化することを確認した。この作用はコモンサンゴ属においても見られた。花虫綱のミドリイシサンゴとヒドロ虫綱のカイウミヒドラで類似の結果が得られたことから、神経ペプチドのGLWamideによる変態誘導とRFamideによる変態阻害が、腔腸動物における変態制御の共通機構であると考えられる。 ハナガサミドリイシ幼生からPCRによって得たRFamide cDNA断片をプローブとしてcDNAライブラリーをスクリーニングして全長クローンを単離した。現在塩基配列を解析中である。
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