2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13852001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 幹雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50181459)
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00201666)
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
斉藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
加藤 毅 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20273427)
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Keywords | モジュライ空間 / Dブレイン / フレアーホモロジー / A無限代数 / モース理論 / ラグランジュ部分多様体 / シンプレクティック幾何学 / ホモトピー代数 |
Research Abstract |
1.多価モース理論・漸近解析・ミラー対称性について 昨年度、ミラーが双対トーラスファイバー束で得られる場合、ホモロジー的ミラー対称性予想の大部分の結論を導くと考えられる構想を得た。本年度はその論文の残っている部分を書き終えたあと(文献表の6番目)、そこで立てられた多くの予想の証明に向けて考察を進めた。フレアーホモロジーの境界作用素の収束問題は一つの難点であったが、障害がない場合(特に4次元のトーラスの中のマスロフ指数0のラグランジュ部分多様体の場合)には、任意の漸近展開を持つなめらかな関数が存在するという、よく知られた定理の「ホモロジー代数版」によって解決が付くめどが付いた(未発表)。また、複素多様体上の正則ベクトル束からラグランジュ部分多様体を作る部分については、4次元のトーラスの場合において証明できた。文献表の6番目の論文ではっきりしなかった余次元1の波面集合がある場合についても、だいぶ様子が見えてきた。 2. フレアーホモロジーに対するガロア群の作用 フレアーホモロジーはノビコフ環上の加群である。ノビコフ環にはいろいろな種類があるが、1変数ローラン多項式の作る体の代数的閉包がとれる場合がある。その連続ガロア群は整数全体のprofinite completionである。この群は一方では、ミラー多様体を円盤から原点をのぞいたものでパラメトライズされる族と見なしたとき、その代数的基本群である。複素側では従って、ミラーに当たるカテゴリーにはこのガロア群が作用する。このガロア群の作用のシンプレクティック側のアナロジーを構成した。構成自身は初等的であるが、これから、テータ関数の保型性、極大退化点におけるネロンモデル(のアナロジー)の成分の個数と有理ラグランジュ部分多様体の数の関係、極大退化点の周りのモノドロミーの可積分性など諸方面に渉る様々な観察が可能になり現在探索中である。 3.有理ラグランジュ部分多様体 ラグランジュ部分多様体が有理的であるという概念を正しく定式化し、そのミラー対称性(とくにミラー側での有理点の問題)との関係を考察した。
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Mirror symmetry and Fiber homology II"Advanced Studies in Pure Math.. 34. 31-127 (2002)
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Defoemation theory, homologidca algebra arid Mirror symmetry"The Proc. of Conference on Geometry and Physics of Branes. (印刷中)(To appear). 1-103
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Mirror symmetry of Abelian varieties and Multi Theta function"Journal of Alg.Geom.. 309. 393-512 (2002)
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Floer homology for families"Comtemporary Math.. 309. 33-69 (2002)
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Galois symmetry on Floer homology"Turkish J.Math.. (印刷中)(to appear). 1-25
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[Publications] Kenji FUKAYA: "Multivalued Morse theory, Asymptotic analysis and Mirror symmetry"Advanced studies in Math.. (印刷中)(To appear). 1-98