2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13852003
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
舛本 泰章 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (60111580)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池沢 道男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (30312797)
|
Keywords | フォトンエコー / ヘテロダイン検出 / トンネル過程 / ノンマルコフ過程 / 励起子分子 / 量子ビート / InP量子ドット / GaAs量子ドット |
Research Abstract |
<単層量子ドットのヘテロダインフォトンエコー> 電場を加えられたInP単層量子ドットにおいて共鳴光生成された正孔がトンネル効果で量子ドットから抜ける過程がヘテロダインフォトンエコーの時間特性で観測され、ノンマルコフ過程の反映した特異な非指数関数的減衰を示すことが明らかにされた。また、電荷のドープに伴うパウリブロッキングがフォトンエコー信号を消滅させることが明らかになった。 歪み誘起GaAs単層量子ドットにおいてヘテロダインフォトンエコーが観測され、この信号中にGaAs単層量子ドットとGaAs単層量子井戸からの励起子・励起子分子量子ビートが観測され2次元から0次元になるときの励起子分子束縛エネルギーの増大が明らかにされた。 <超高分解能時間分解光誘起力-回転測定法の開発と単層量子ドット中のスピンダイナミクスの研究> 単層量子ドット中の電子や正孔のスピンダイナミクスの研究を行うため、光弾性変調器、光ブリッジ型平衡フォトダイオードおよびロックイン増幅器を二段に直列に使うことにより、5x10^<-3>度の角度分解能をもつ世界最高感度の時間分解力-回転測定系の建設に成功した。 この測定系を単層の歪み誘起GaAs量子ドットにおいて、電子スピンのラーモア歳差運動が観測された。歳差運動周期から得られたg因子|g|〜0.25は、すでに同一試料において報告のある発光量子ビート測定による結果と矛盾しない。また量子井戸におけるスピン緩和寿命よりも長い量子ドットのスピン緩和寿命が観測された。これはD'yakonov-Perel'機構の抑制によりスピン緩和が抑制されたと考えることが出来る。n-GaAs基板に作成された自己組織化InP量子ドットを用いた測定においては、観測されたラーモア才差運動の同期から|g|-0.052という正孔によると考えられる振動成分の観測に成功した。
|
Research Products
(6 results)