2003 Fiscal Year Annual Research Report
電子蓄積リング型高輝度X線発生装置の利用とさらなるダウンサイジング
Project/Area Number |
13852007
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山田 廣成 立命館大学, 理工学部, 教授 (10268162)
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Keywords | 世界最小シンクロトロン / 新型高輝度光源MIRRORCLE / コヒーレンス / エネルギー干渉イメージング / 放射光 / 高精度被破壊検査 / 医療用イメージング / 光蓄積リング型レーザー |
Research Abstract |
最も重要な課題であるみらくる6Xの開発であるが、10月に完成し、11月13日にコミッショニングに成功し、高輝度のX線を発生することができた。予定よりも約3ヶ月の遅れである。みらくる6Xは、みらくる20の装置外径1.2mに対して、60cmに縮小し、エネルギーも6MeVに落とした上で1000倍のX線強度を出すことができた。みらくる6Xが完成して最初に行った実験は、X線ビーム特性の計測と各種イメージングである。X線強度は、加速パワー投入無しで、予定通り、みらくる20の千倍を越した。Brillianceにして、10^9光子である。みらくる6XのX線ビームは発散光であり、その強度は、0.5秒で15cmφのX線像を撮ることのできる強度であるから、全光子量は明らかにSPring-8を凌ぐ。加速パワー投入によりさらに2桁ほど上がる予定である。イメージングでは、85mradの広い視野に一様な強度を観測し、0.5秒以下で1フレームの撮像ができた。エッジ強調により柔らかい組織が観測できた事は従来どうりであった。大型の鶏の画像は、内部の全ての組織や羽根がまるでガラスで出来ているかの様に観測できた。造影剤無しで腸や血管がはっきりと見られる。これはレントゲン写真百年の歴史に刻まれる事柄である。拡大イメージングは、ターゲットを5ミクロンまで絞ることが出来て、拡大率10倍を達成できた。今後は、サブミクロンのターゲットサイズを追求する。 みらくるは、MRI及びCTの双方の特性を備えた理想的な医療診断装置であり、21世紀の医療診断装置の基本になるであろう。X線撮像による放射線被曝がレントゲン写真に比べて1/15に減少することも証明された。癌等の放射線治療装置として使用できることも明らかになった。6MeVという高エネルギーX線であるから、ライナック治療と同様に使用することができるが、癌の部位を特定して出来るという点で、正常組織に対する被爆を最小限に止めることができる。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] H.Yamada: "Novel X-ray Source based on a tabletop synchrotron and its unique features"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. B199. 509-516 (2003)
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[Publications] A.I.Kleev, H.Yamada: "Advanced theory of the photon storage ring leading to the short light pulse generation"IEEE Journal of Quantum Electronics. 39(6). 1-9 (2003)
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[Publications] H.Yamada, H.Saisho, T.Hirai, J.Hirano: "X-Ray fluorescence analysis of heavy elements with the portable synchrotron MIRRORCLE"Spectrochimica Acta Part B. (in press).
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[Publications] T.Hirai, H.Yamada, Y.Sonoda, S.Maki, T.Takashige, T.Takashima, P.Hasegawa, N.Toyosugi: "Novel Edge-Enhanced X-ray Imganing by MIRRORCLE"Proc.Int.Conf. on Synchrotron Radiation Instrumentation, San Francisco, 2003, Aug.24・29 : Review of Scientific Instruments. Aug.(in press). (2003)
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[Publications] H.Yamada: "The Synchrotron Light Life Science Center Granted by the MEXT 21^<st> Century COE Program"Proc.Int.Conf. on Synchrotron Radiation Instrumentation, San Francisco, 2003, Aug.24・29 : Review of Scientific Instruments. (in press). (2003)
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[Publications] 山田廣成, 平井暢, 園田幸史, 鷹繁貴之, 牧進也, 長谷川大祐, 粟林勝, 兵藤一行, 松本政夫: "卓上型シンクロトロン"みらく"を用いたX線イメージング"日本写真学会誌. 65(7). 452-458 (2002)
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[Publications] H.Yamada, Y.Nakamura, T.Kikuzawa, A.Moon, T.Toma, N.Kakimoto, K.Nishikawa, A.I.Kleev: "Brilliant FIR or IR Irradiation BL for Life Science Research"Proc.28th International Conference on Infrared and Millimeter Waves, 2003, 29-Oct.2, Otsu. (2003)
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[Publications] D.Hasegawa, H.Yamada, A.I.Kleev, N.Toyosugi, T.Hayashi, T.Yamada, I.Tohyama, E : Ro: "Tabletop synchrotron MIRRORCLE-6X"14^<th> Sympo on Accelerator Science, 2003, Nov.11-13, Tsukuba. (2003)
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[Publications] 山田廣成: "卓上型シンクロトロン"みらくる-20"による新しいX線の発生"放射光. 15-2. 15-27 (2002)
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[Publications] 山田廣成: "卓上型シンクロトロン「みらくる」の世界"原子核研究. 47(4). 33-63 (2002)
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[Publications] 山田廣成: "卓上型シンクロトロンの"みらくる"の医学利用"日本レーザ医学会誌. 23(3). 151 (2002)